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【性格】

春風のように飄々としていて、息を呑むほど冷徹な性格。
面倒見がよく、人に対して優しく接することが得意。足りないもの、必要なものをすぐに察して、対応することができる。これは、元来人間観察が得意であることに加えて、彼が非常に器用であることも一因となっている。やろうと思えば、気乗りしなくても要領良くできる。機転のきく人生である。

一方で、持ち得たそのセンスも由来して、他人を見下すことを生業とする様が見える。これが些か、彼の生き方に回り道を与えているようである。
彼は自分が人よりできることを、自覚している。だからこそ人を支えようと思えるし、同時に人を足蹴にしてでも自分の最適解を押す傾向がある。また、損得勘定でものを図ることが常であるので、何も考えずに人の為に尽くすことを拒む。即ち、自分勝手で面倒臭いのである。協調性は、言わずもがな皆無である。

この難儀さを乗り越えるには、お互いの弱さを知った関係になることが肝心である。キールは誰かの上に立つことでも十分な力を発揮するが、それよりも、実は下克上に人一倍燃えるタイプである。余裕とは、油断を生む最大のスパイスである。“挑戦”のシチュエーションこそが、キールを一番キールらしくするのだ。事実、彼は前時代的な実家に対して並々ならぬ反骨精神を持っている。その脆さも頑強さも知り得ているからこそ、嫌いなのだ。「お前は俺よりできるから」、そうキールが言い切る分野がたった一つでもあれば上出来である。

移ろう情よりも、圧倒的事実を。怠惰な気休めよりも、打算による結論を。
それこそ、彼の強さである。いつか、その矜持こそが彼の一番の弱点であると知るまで。その大胆でかつ戦略的な歩みは、止まることは無いだろう。

*→←向日葵を射る迄は【キール・カリストラトフ】



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作者名:松宮カナメ | 作成日時:2022年8月27日 18時

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