15.【悲報】化け猫、獣人も捕食対象だった ページ17
「ケホッ……え、な、なんで知って」
「ゾムさん…まさか俺が知らんとでも？」
ジュースでビチャビチャに濡れた床を
しかも去年から知ってたらしい。それ教えてくれてたら俺もうちょっと早く友達出来てたと思うんやけどな。
「どっからどう見ても人間の見た目した奴からあんな美味そうな気配してたら誰でも気付くでしょ」
ゾムさんもそう思いますよね？と共感を得ようとしてくる彼からゆっくりと数歩離れる。こいつ捕食者目線で見てやがった。
「……って、昨日変な言葉喋ってたのそういうことか！」
「いや変て。…俺がいつも使ってる言語って、大抵の獣系の異種族に通じるんすよね」
それはつまり、体に動物の特徴がある獣人族にも通じてしまうわけで。
だからショッピくんは俺だけに聞こえるように植物系の異種族が使う言葉を使ったんか…それってなんか暗号みたいでかっこええかも。
実際、植物言語は習得が難しい分音を発さないから人間社会で役に立つのだとか。うーん、犯罪の臭いがプンプンする。
「ウサギさんのことは置いといて、パーカーは誰に貸したんすか？」
「ん？あぁせや、そのことなんやけど……」
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────
それから、俺はショッピくんに体育館で起こったことを包み隠さず話した。
「つまりは
「んふふ……俺暫く遊ぶわ、体力有り余っとるし」
パーカーも同じのが家にあるし、明日はそれを着ていけば問題ない。
「ふぁあ……じゃあ俺はもっかい寝ます」
再びソファで目を閉じるショッピくんを見届け、俺はこれからシャトルランで使いきれなかった体力と集中力をゲームに費やすことにした。
────────
────
「……だっっる」
眠い。くっそ眠い。
あれから長い間液晶画面と睨めっこし続け、俺が寝たのは窓の外が黒から群青色に変わり始めた頃やった。
「パーカー…はもうええか」
どうせ今日返して貰うんやし、それをその場で着れば問題ない。
半分寝ぼけてる割には昨日よりも冴えていると我ながら思う。荷物も減るし、絶対その方がええ。
服で隠す手段がないのでショッピくんには家にいてもらい、俺は一人で家を出た。
「────今日のゾムさん、なんかええ匂いやな……」
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作者名：カキ | 作成日時：2022年8月3日 2時
