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21.可愛い ページ24

昔の夢を見た。顔も知らないお母さんの夢を。お父さんとお母さん、そして三人家族で居る風景が映っている。その光景が懐かしくて、でも知らなくて心の中がぐちゃぐちゃになっていく。


「…お母さん……」


_______________そこで私は目を覚ました。








「……よう」


その声に反応するかのようにまだ寝惚けたまま少し上を向くと直ぐに隊長の顔があった。まだハッキリしない意識の中また何かにもたれ掛かる。さっきの夢は何だったのだろう。思い出せそうで思い出せない。何か…こう……大切な夢だったような気がするだけ。心がぽっかりと空いてしまったようだった。

目を擦ると水が手についていた。もしかして、と思い少し体を浮かせ目を触るとどうやら泣いていたようだ。でも、なんで……?

私が不思議そうにしていると横から手が伸びてきた。咄嗟の事で反応出来なかった。


「……泣いてんの…」


少し困ったように隊長は言った。手の正体はどうやら彼だったようだ。隊長は優しく目の淵をなぞり涙を拭ってくれた。

「すみません……」


本当になぜ泣いているのか分からない。夢が関係あるのか。ないのか。


私はもう一度顔を上げる。顔を上げて気づいた。隊長にもたれかかっていることを。そしてとても顔が近い事を。脳が活性化していくことが分かったのだ。脳が活性化する感覚がするのは今の内だけだろう。貴重な体験だ私。貴重な体験をしているのだぞ私。なんて半ば現実逃避に走っていた。




「す、すみません……!!」



隊長が今まで私の身体を支えてくれていた事を知り申し訳なくなり慌てて離れる。本当になんて事をしてしまったのか。一生の不覚だ。



「お前本当表情出すようになったな」

呆れているように怠そうに言われた。

「表情……ですか…?」


ああ、と顔を振る隊長。元々表情無い方だけれど……今はそんなに表情が出ているのか。表情筋が発達したのかもしれない。



「そっちの方が可愛いくていいと思うけど俺の前以外ではすんなよ」



あっさりそんな事をいう彼に顔を熱くさせる。
可愛いなんて沖田さん以外に言われたことがない。正確にはあるが、それはただ気持ち悪いと感じた。でも何故か隊長の可愛いは違うのだ。何が違うのかはハッキリと説明できない。


_______________少しだけ…ほんの少しだけ嬉しい、と思った事は自分にも内緒。

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抹茶(プロフ) - おかゆです。別のアカウントからコメントしてます<(_ _)>パスワードが分からなくなってログインできなくなりました。頑張ってはいたのですがやっぱりできず……。気が向いたらこの抹茶アカウントで投稿するかもしれません。そのときはよろしくお願いしますm(__)m (2019年7月24日 1時) (レス) id: a70fe719c0 (このIDを非表示/違反報告)
秋音(プロフ) - 夜空 星月さん» ありがとうございます!元気でます(*´ω`*) (2018年6月19日 21時) (レス) id: 5561946052 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 星月(プロフ) - 大丈夫ですか、地震!私のところは揺れなかったんですが、ご無事のようでなによりです。お怪我に気をつけてくださいね。 (2018年6月19日 20時) (レス) id: 5d15086cca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おかゆ | 作成日時:2018年6月18日 1時

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