【銀魂】浮遊感と劣等感【沖田総悟】

14.機嫌悪いです！ ページ17

まだ入隊したばかりなので、女性専用のお風呂が無い。なので、決まった時間に男性は入れないようにしてくれている。今は九時を少し過ぎた頃。いつものお風呂の時間より一時間早かった。


なぜ早くなったのか、聞きたかったが隊長の雰囲気的に聞けない。こんなに機嫌が悪そうなのは初めてだ。少し怖いとさえ思う。



「た、隊長。ここら辺で……」

脱衣所の前で私は振り返り隊長に話しかける。中まで入ってこられたら大変だ。お嫁に行けない。行くつもりもないけれど。


「外で待ってるから早くしろよ」


私の頭の中は、クエスチョンマークでいっぱいになった。そんな私を見向きもせず脱衣所のドアの前で座る隊長。何でこんな護衛的なことをするのか不思議であったが、またまた聞けない雰囲気であった為お風呂に入る事にした。ヘタレである。


真選組の屯所のお風呂場は中々良い。広いし、意外と綺麗だし。いつも掃除してくれているからだろう。まあこの広い中一人占めって言うのも寂しいものだ、女の子もう一人来てくれないかな、と少し思ったり。


外に隊長がいるのでできるだけ早く済ませた……つもりだった。





「遅ぇ」


「すみません……」




いつもより早いよ!!髪の毛長い分頑張った方だよ私!!隊長の雰囲気がいつもと同じに近づいている気がする。多分。

ふと前を見ると他の隊士たちがいた。うわあ団体で行動してる……ああ言うところって通りにくいんだよなあ。あの隙間に潜り込む感じが苦手だ。


その団体の何人かがこちらを見ているのがわかった。そしてニヤニヤしている。
正直な感想は気持ち悪い、である。
そしてその顔のまま近づいてきた。


「こんばんは！」

先頭の隊士の人が友好的に話しかけてきた。そんな爽やかに言っても私の印象は超ド底辺何ですけども…。


「こ、こんばんは…」



そう言えばお風呂上りでフード被ってないや。こんな大事な事に今気づくだなんて馬鹿なのか私！！
フードがないとコミュ障には拷問のように思える。
人と話すのは何と難しいのだろうか。



「お前ェら俺の目の前でナンパかィ。」



下に座っていた隊長がゆっくりと立ち上がる。あ、機嫌悪いな今。


「た、隊長…!!」


隊長に驚いている隊士たち。分かります。私の横にいる沖田隊長凄く怖いです。とてもとても近づけないです。最も近い位置にいるの私だけれど。



「陽野(はるの)行くぞ」


私の手を引き強引に隊士の間を抜けた。
な、なんなの…？

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