社畜、属国の姫になる【ｄ！】【軍パロ】 (ページ3)

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頭が痛い、割れそうだ。

ガンガンとものすごい音が頭の中に響いている。

頭の中？

いや、確実に聞こえてくるその音は少し遠くから響いてくるのに、私の頭を揺さぶるほどの轟音で、

深かった私の眠りをとびっきりの不快感と共に目覚めさせるのにぴったりだった。

あ、成程。
私は寝てたのか。

体がぬくぬくと温かい。

目覚めは不快だしあの轟音は今も響きつづけてはいるが、

何だか珍しく心地が良い。

ん？

ちよっとまて。

私確か昨日ー

「………

・

…………ここどこ！？！？！？！？」

思わずものすごい声が出た。

私が飛び起きた場所は、あの薄暗い私の部屋でも、

よく仮眠をとるオフィスのデスクでもなく、

天蓋付き、超豪華なベットのど真ん中。

部屋を見渡せば、私の今の経済力、もとい私の親の経済力を合わせても買えないような豪華な家具たちが、

居住まいを正して整然と並んでいる。

どこだ。

どこなんだここは。

夢か？

いや、夢じゃない。手に触れる布団の感触と、耳と頭に響く轟音が、私にそう告げている。

・

「……………外に出よう」

そうだ。外に出よう。そうすれば何かわかるかもしれない。

新たなドッキリなのか、はたまた視聴者参加型の番組や配信なのかは知らないが、

ここで固まっていては何も変わらない。

ゆっくりとベットから降りて、床に置いてある柔らかなスリッパに足を通す。

ゆったりとした作りの部屋を横切り、

金色のドアノブを開けると、

長い長い廊下が現れた。

どうやらあの轟音は、廊下のさらに向こうから響いているらしい。

何とか王朝よろしく、床に引かれた赤いカーペットの上を、静かに私は動き出した。

壁にはさまざまな絵画と漢の装飾。

所々に置かれた美しい花々と確実に高いであろう花瓶。

私疲れすぎて妄想はじまったか？？

ついに携帯に念のため入れておいた精神科の番号に連絡するときが来たのだろうか？？

ゆっくり、ゆったりと

廊下を進むにつれ、あの轟音もどんどん大きく、近くなっていくのを感じる。

音に誘われ、私が向かった先はーーー

先ほど私が開けたものの3倍以上はあるであろう。

巨大な扉だった。