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『私たち婚約破棄するんじゃ、うっ』






そう言い終わる前に私は硬い胸板に押し付けられていた。







必死に逃れようとしても体に巻きついた腕は振り解けず、







逃げようとすればするほど彼の力は強くなった。







「キッショい白髪が俺の婚約者に何の用やねん」







その様子に苛ついたのか、私の背後では直哉くんが怒鳴っていた。







同じ御三家の、ましてや術式だって完璧な男の人にこんな口調を使うのはよっぽどキレているとき、







見なくても分かる。







直哉くんたぶん今までで一番ブチ切れてる。







「さっきから婚約者婚約者って耳聞こえないのかよ。お前のじゃねぇ。五条悟の、俺の婚約者だっつーの」







怒りを露わにした途端、彼から呪力が溢れ出てくるのが分かった。







『五条さ…ん、直哉くんの挑発にのらないで』







圧倒的な呪力量の多さに、呼吸が浅くなる。








苦しさのあまり、彼の制服を握って呟いた小さな言葉。








すると途端に呪力が無くなって、するすると酸素が体に入り始めた。








なんとなく彼を見上げると、サングラスから覗く蒼い瞳が私を捉えている。








慌てて顔を逸らしても、もう遅い。








「Aこっち向け」








怖いようで優しい口調。








こんな風に話し掛けられたことがないのを私の体は覚えているから、








気付けば体が勝手に拒んでいた。








結局だんまりを決め込んで無視してると、彼は俯いていた私の顔を掬って目線を合わせる。








その上__








「俺はお前と婚約破棄するつもりねぇから」








なんて今までならあり得ないことを口にしながら微笑んでいる五条さん。








急にどうして?








いきなりの出来事に必死に頭を回して考える。








その間も五条先輩の視線は私に向けられていて、柔らかく微笑んでいた。








細くて骨張っている指もまるで私を愛おしむかのように髪を撫でている。








『五条さんいい加減離してくだ、ひゃあっ』








なんて言えば突然背筋をなぞられ、体が震えた。









『私は五条さんと…んっ、婚約破棄するんです。離してくださ』









「へぇそんなこと言うんだ」









そう耳元で囁くと、彼は私の目を大きな掌で塞ぎ力強く抱き締めた。













ドサッ






次に視界が開けた瞬間、目に入ったのは(かび)臭くて薄暗い闇の中ぎらぎらと光る蒼だった。

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ミルクティー - 直哉くんさいこー (4月6日 11時) (レス) @page19 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 続きが気になりすぎる。。。!夢主ちゃんにはよ幸せになって欲しい!主様、更新まってます(*'▽'*) (2月11日 17時) (レス) @page18 id: dea07b8d55 (このIDを非表示/違反報告)
- うぎゃ!直哉君めっちゃいい!この修羅場好き!ごじょうどうでるか気になって仕方ない! (2月9日 23時) (レス) @page18 id: e366ea730f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずな - この作品めっちゃ好きです!続き待ってます( *´꒳`* ) (1月23日 21時) (レス) @page17 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
もちゃちゃ(プロフ) - 夏斗さん、夜さんコメント有難うございます‼︎とても励みになります🥹❤️‍🔥 (1月20日 22時) (レス) id: c9a30c4dbc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちゃちゃ | 作成日時:2023年8月31日 9時

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