始まりは監獄墜落08 ページ8
バッ、
「!」
「!っ、おい勝手に……!」
「……」
神威は向けていた番傘の前方へ突き出す。その距離は人物の目と鼻の先にまで。
「…あんたもいつまでそうやって隠してるつもり?」
「隠してるだぁ?」
「俺にはもう分かってんだヨ。あんたも俺と同じだ。闘いや血に飢えた獣。今にも殺したいと喚いてはうずうずしてる」
そう言う神威の笑みは最初の時とは打って変わり、あくどい邪悪なものへと変貌を遂げた。
「…っ、おい。悪い事は言わん。今すぐにでもこいつに喧嘩を売るのは止めてくれんか。単なる興味本位で挑んでいるのなら尚更」
神威達の様子を探っていた戌威族の男が不意にも止めに入る。どこか切羽詰まった面持ちで。
「なに?殺されるとか?」
「……いや…違う。死よりもっとおっかねえ…!」
「まあまあ、何をそんな危惧してるかは知らんがそう焦りなさんなって。おっさん」
説得し何かを訴えかける男の言葉を、無言を貫き微動だにしなかった人物が割り込み、そのまま男へ自然な動作で目を配らす。
「―――」
「…!」
ひとつの、囁きを添えて。
男は人物の何を聞き、何を見てしまったのか、途端に口を噤む。己の意思とは異なり、何かを悟った様子で。
男の様子をしっかり確認し、くるりと神威達の方へ振り返った人物は―――わらう。
「少年や。名前を覚えるかどうかは別としてだ。そんなに戦闘―――否、『殺し合い』がしたいってんなら自分は悦んで受けて立つ」
「お!ホント?やった、待ちくたびれ」
「は…!?ちょっと待てあんた今まで」
やっと戦う意向を見せた人物の発言に神威は純粋に喜び、阿伏兎は動揺し止め直すも、
「――――――ただ、」
―――――――ぞわ、
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ハニー - アッこれすき。続き楽しみ過ぎます( ˙-˙ ) (2018年12月4日 11時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
麗威(プロフ) - 主人公の無敵さ、しかもギャグのセンスもあってある意味最強ですね! (2018年11月22日 18時) (レス) id: ad644a3a0a (このIDを非表示/違反報告)
ねゃむ^._.^(プロフ) - 早く物語の続きが見たいです!! (2018年9月9日 0時) (レス) id: 6a8d27ee1a (このIDを非表示/違反報告)
無気力人間に等しい(プロフ) - ねゃむ^._.^さん» コメントありがとうございます!できるだけ頑張ります! (2018年9月2日 2時) (レス) id: 2e4da08bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ねゃむ^._.^(プロフ) - とても面白いです!!ww早く次が見たいので更新お願いします!! (2018年9月2日 1時) (レス) id: 6a8d27ee1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無気力人間に等しい | 作成日時:2017年7月6日 1時