白夜叉達の救世主02 ページ18
「……まさか、こいつらの仲間か」
「あ?あー全然違う」
「(おい仲間って否定するの早くねーか!?いやまあ確かにこちとら今日初めて会う感じだけどさあ!!)」
咄嗟に長が俺の方を指差せば打って変わった奴の即答ぶりに真実だが何とも言えぬ複雑な心情で顔が引き攣る。
つか、自己紹介すんのはあんなに渋ってた癖に俺等の時はあっさりしすぎだろ!!
「ならば貴様は……っ!!」
「あれェ。こいつはおかしいねェ」
奴の煮え切らない態度に怒り心頭な長が再度問い掛ければ、今度は奴が長に吹っ掛けた。
「な、に?」
「こちとら、おたくらが探してるって聞いたもんだからわざわざこうして出向いてやったつうのに」
「……は、?我々が…探していた…だと?」
奴の意味深な発言の効果で苛立った態度から一転、次第に狼狽しだす天導衆。端から見ても分かる異様な光景に今更ながら俺等の視線は釘付けで。
「あぁ。で、さっき自分が何者かに対する質問だったが」
全員の視線を浴びるのも厭わず、漸く自分の正体を明かす気になったのかと思えば、
―――タンッ、
「?」
急に足音を立て一歩、後ろに下がる。
そして、片方の手を高らかに上げるや否や不躾だった口調とは裏腹に上げた手をクルッと一回ほど回しては静かに頭を垂れる。
『ああ、我こそは戦場にて彷徨い続ける哀れな亡霊。―――そう、すなわち』
礼儀や作法とかそういった事柄とは無縁だった俺でも感じ見惚れた綺麗なお辞儀と共に放たれた、
―――戦場の亡霊。
という、俺には馴染みのねえ単語。
「いやぁ、今のは我ながらカッコつけたな」
どこか詩的に、どこか自虐的な表現で名を名乗る風潮で口にした異名らしき単語。
あ?俺に詩とかそういうの分からないだろうって?うっせェな!何となくの感覚で答えたんだよ悪ィか!!
「…戦場の亡霊だ?」
そんな事より、戦場の亡霊つう異名を初めて耳にした俺は無意識に復唱する。
そこからだ。
「「「「!!??」」」」
唐突に奴の異名?を聞いた天導衆の空気がガラリと変わる。俺等を取り囲む際に見せた傲慢なものでも、名乗り上げる前の奴に見せた警戒のものとも違ェ。
ギョッとし、辺りを見渡せば、
「せ、戦場の亡霊だと…!?」
「奴が…あの…!?」
「待て…!奴に何故この場所が…!」
嫌でも耳に入ってくる天導衆の焦った声。
……もう何なのこれ?マジで展開に付いていけねーつーか驚きの連続なんだけど!!
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ハニー - アッこれすき。続き楽しみ過ぎます( ˙-˙ ) (2018年12月4日 11時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
麗威(プロフ) - 主人公の無敵さ、しかもギャグのセンスもあってある意味最強ですね! (2018年11月22日 18時) (レス) id: ad644a3a0a (このIDを非表示/違反報告)
ねゃむ^._.^(プロフ) - 早く物語の続きが見たいです!! (2018年9月9日 0時) (レス) id: 6a8d27ee1a (このIDを非表示/違反報告)
無気力人間に等しい(プロフ) - ねゃむ^._.^さん» コメントありがとうございます!できるだけ頑張ります! (2018年9月2日 2時) (レス) id: 2e4da08bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ねゃむ^._.^(プロフ) - とても面白いです!!ww早く次が見たいので更新お願いします!! (2018年9月2日 1時) (レス) id: 6a8d27ee1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無気力人間に等しい | 作成日時:2017年7月6日 1時