検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:616 hit

みっともない話7 ページ2

そういう青年の憧れを持つ心というのを、眼鏡は好ましく思っていた。
憧れなんて、改まって抱いたことがない。夢なんて描いたこともない。ただ父の面影を追っただけの自分が、それこそみっともなく感じた。
昼間の仕事は好きでやっているし、こうしてZionに飲みに通うのも好きだ。音楽の中でもピアノが好きだから、ピアニストを引っこ抜いてくる。その役割は好きでやっている。
だが、それが夢見た自分の姿かというと、何か違う。やはり、眼鏡は自分の夢というものを描いたことがないのだ。子どもの頃から、少年、青年、壮年である今に至るまでずっと。
みっともない話である。今度八歳になる倅がいるというのに、自慢して語ってやれる夢の一つも持っていないのだから。そのくせ、倅には夢を持てというつもりなのだ。矛盾している。

みっともない話8→←みっともない話6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:はなむけ , バー , 大人テイスト   
作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:九JACK | 作成日時:2019年6月19日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。