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約束通り11 ページ8
「歌、素敵でしたよ」
「おい、私の台詞を盗るな」
「男の嫉妬は醜いというよ?」
「嫉妬ではない。礼儀の話をしている」
今宵、彼女を舞台に立たせたのは眼鏡の計らいだ。まず何か言ってやるのが礼儀だろう。
と思ったが、顎髭も負けてはいない。
「僕の一言がきっかけになったのだから僕でもかまうまい。それに相席を許したんだから、それくらいの声をかけるのも、紳士のたしなみってやつじゃないか?」
そう言われると、そんな気もする。顎髭には口では敵わないことを早々に悟る眼鏡であった。
「随分仲がよろしいんですのね」
「勝手に話しかけてくるだけだ」
「勝手にとはひどいな。昨日も今日も相席している仲じゃないか」
「酔い潰れた君の面倒を見た仲とも言えるな」
「それは言ってくれるなよ」
「まあ」
そうして、和やかな時は過ぎていく。
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年6月16日 2時