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約束通り8 ページ5

「……おっと失敬。嫌なことを聞いたね」
「知らないのだから仕方ない」
「そう言ってくれると楽だよ」
などというが、少しは遠慮を知ってほしい。
雰囲気が沈む前に、顎髭は語り出した。
「そうそう、君の勤めるコンサートホールについて調べたんだが、盛況も盛況だね。カレンダーがほぼみっちりなのではないかね?」
「仕事は好きだ。父から継いだものだが、楽しくやらせてもらっている。だから父は恩人だよ」
それはそうと、眼鏡はかちゃりと眼鏡を持ち上げ、昨日のことを思い出す。
昨夜、顎髭は眼鏡と酒飲み勝負をして負けた。その罰は確か、本業を教えるのではなかっただろうか。
のらりくらりとかわされる前に問いかけておく。
「君の職業を教えてもらおうじゃないか」
「それは……」
言い淀む顎髭に詰め寄る。
「男に二言はないのだろう?」

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作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年6月16日 2時

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