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約束通り7 ページ4
スパークリングワインを空けると、今度はウイスキーを頼んだ。
「昨日も思ったが、君はウイスキーが好きだね」
「頼みやすいからな」
淡白に答えたが、それだけではない。グラスの奏でる音が気に入っているのだ。それと、父の面影を追っているのだろう。
カウンターでウイスキーのグラスを傾けながら、マスターと言葉を交わしていた父の姿はそこそこに印象深かった。少し憧れていたのかもしれない。
「眼鏡チェーンも父から譲り受けた」
「さぞやお似合いだっただろう」
「私は父に似たらしいからな」
「ふふっ、なんとなく想像がつく」
他愛ないやりとりも慣れてきた。昨日は小うるさいと思っていたのに、早くも慣れたのだろうか。恐ろしいことだ。
「君のお父上も、さぞや堅物なのだろうな」
「何年か前に他界したがな」
あっさりそう告げると、さすがに顎髭は固まった。
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年6月16日 2時