【d!】平和な世界で永遠の嘘を Ⅰ (ページ7)

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ゾムside

zm「_ん‥あれ、俺寝て…？」

瞼を開けて俺は周りを確認する
毛布が自分に掛けられていて‥そうや、Aと話してる時になんか意識が飛んで…

俺が飲んだ紅茶を嗅ぐ
なんか薬の匂い‥？睡眠薬でも飲まされたんか、だとしてもなんでこんな丁寧に寝かしとる？？

スマホで時間を確認すれば午後9時
寝過ぎやろ‥そう思いながら俺は通知で来ていた《魔神》の配信を見る。この人の声はAにそっくりで落ち着く、配信は誰かとコラボする以外には中々せえへんから珍しいんよね。

((『‥僕は前世とやらを知りません』))

zm「っ‥Aっ…」

前世の記憶はAにもあるはずや
俺ら全員記憶がある状態で一人だけ‥自 .殺した影響か？でも、俺を見る目は《憎悪》と《懐かしさ》を含んでいたんや。

zm「ﾋｯｸﾞ‥Aっ…ごめ、んっ‥」

本当のことを言えないのは俺らのせい
俺らがAを追い詰めて死を選択させた、謝っても許されることはない。それでも俺は傍にいたいと思った。

止まらない涙を拭っても落ちてくる
すると突然、震える身体を暖かい何かが包み込んだ。

zm「Aっ‥？」

『‥なんで悲しむ』
zm「なんで、って‥Aが苦しんでる、からっ…」
『お前らが苦しめたんだろ』
zm「そ、うやけどっ‥Aが辛いのはもう耐えられ、へんねんっ…」

前世俺らがAを苦しめた
やってもいない罪を押し付けて挙げ句の果てに自爆特効を命じて、Aが仲間思いやって俺らは知ってたのに。命令に忠実な人間やって知ってたのにっ‥

『‥お前はもう苦しまなくていいから』

zm「俺は苦しまなアカンねんっ‥」
『後悔に蝕まれた人生は何一つ良いことはない、経験談で語るとそうだ』
zm「Aに償わないと駄目やねんっ!」

『俺はお前が苦しむことを望んでない‥だから涙を止めろ、見てるこっちが泣きたくなるわ』

俺の頭を撫でながらAはそう言った
Aは優しすぎる、昔からずっと誰かが悪戯した時とか笑って許して‥

落ち着いた俺にAは紅茶を出す
また何か盛られてるんじゃ、記憶を消すものやったら絶対に飲みたくないで、、

『はぁ、今回は睡眠薬盛ってないから安心しろ』

zm「記憶消す薬とか‥」
『あるか、そんなもん』
zm「‥いただきます」

Aの紅茶は本当に美味しい
エミさんとはまた別でふんわりしてて‥俺の大好きな味だ。

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