Narr 自覚のない【ズィーベン】 (ページ21)

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Unconscious ページ21

辺りを見渡すけど記憶の限りじゃこんなところ知らない

どうしてここに入ったんだ…

スマホで道を調べるとすぐに現在地はわかった

よかった…すぐに抜けられる

そう思って歩き出すと

『知念侑李か？』

声をかけられた

振り返るとフードを深くかぶってマスクをしている男がいた

『喋れないことは分かっている。

YESなら頷け、NOなら首を横に振れ』

…ここで嘘をついても意味はない

僕は頷く

『ならいい…』

男はゆっくり近づいてくる

その時、僕は咄嗟に心を読んだ

殺される…!!

僕は体を捻る

すると体のあった場所にはナイフがあった

『避けられた…？』

その間に逃げ出す

道ならこっち

一生懸命走っていると男の姿は見えなくなった

よかった…あと少しで大通りに出られる

安堵しながら進むと、背中…ちょうど胸辺りに鋭い痛みを感じた

『安堵してくれてありがとう、おかげで気づかずに近寄れたよ』

…刺さ、れた？

後ろには男がいる

『【白蛇】さんからのご依頼でな。

知念侑李を殺せって言われたもんで。

恨むなら、その事件に足を突っ込んだ過去の自分を恨みな』

男は僕から離れて去っていく

僕は立てなくなり、その場に倒れた

嫌だ…死にたくない…!!

なんとか声を出そうとする

お願い…あの時は出せたんだから…!!

cn「助…けて」