Two's company (ページ32)

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紫「俺のお父さんさぁ、お母さんと俺と弟に暴力を振るう最低な人でさぁ
ついこの間お父さんとお母さん離婚して、
お父さんからなるべく離れるために上京してきたんだけどさぁ、

やっぱり、お金に問題が出ちゃって、

家は親戚に助けてもらって、ちょっと豪華な家に住まわさせてもらってるんだけど、
やっぱりさぁ、ほら、生活費？とかあるじゃん？

その分のお金がピンチな状態で、お母さんが必死に働いてるの

でも、ほら、うちの学校ってアルバイト禁止じゃん？

だから、俺は、部活せずに家のお手伝いをしてるわけ」

少し悲しそうに、眉を下げながら、そう話す紫耀くん

つまり、お父さんがDVしてたってことやんな…

紫耀くんも紫耀くんのお母さんも弟さんも

辛かったやろうな…

やからこっちに転入してきたんやな

家のお手伝いで部活入らないんかぁ、

偉いな、

俺はただ、人と関わるのが嫌で入ってないだけやし、

廉「…すごく、辛い思い、してたんですね」

紫「まぁ、お父さんと一緒に過ごしてた時は辛かったけど、

今、超幸せ！お父さんからも離れられて、廉に会えて、
たくさんの優しい友達に恵まれて。

まぁ、前の学校でも、友達いっぱいいたんだけどね(笑)

あぁぁ、話せてすっきりした！廉、話聞いてくれてありがとう！！」

満面の笑みで、そう言う紫耀くん

眩しく、きらきら輝く笑顔

陽に照らされ、もっと眩しく輝く

…すごいなぁ、

俺は、過去ばっかに捕らわれて、

こんなに、暗くて最低な奴になったんに、

紫耀くんは、暗い過去を乗り越え、

華やかに生きとる、

どうやったら、そうなれるんかな…？

やっぱり無理や、

自分を責めることしかできない、

紫「廉もさ、」

突然声を掛けられ、紫耀くんの目を見る

紫「話したらスッキリするから、いつでも聞いてあげるから、

廉の無理の無いよう、いつか絶対話して？
廉だって辛かったんだから、ね？」

少し真剣な目で俺を見つめる紫耀くん

何回この言葉を掛けられても、

最低な自分を知られたくなくて、

話すことを拒んでしまう、

声には出さなくても、顔で、嫌そうな表情をしとると思う、

せやのに、どうして、何回も言ってくれるんやろう、

俺が最低な人間って知ったら、紫耀くんは離れていく…？

そんなの、話さない方がよっぽどましや…

俺は、「うん」という事も出来ず、

頷くこともできず、

ただ顔を俯かせることしかできなかった

すると、優しく頭を撫でられた

紫「ほら、電車来るよ？急ごう？」

紫耀くんは俺の手を引き、足早に駅へと足を進めた