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私とグルッペンは幼馴染だ。
小学校の時から、あいつは優秀だった。それこそ、私の必死の努力をかき消してしまうくらいに。しかも顔がいい。それでいて誰にでも優しいとなるとモテるのは当たり前だった。
しかし彼の本性は違う。あいつはただの変人で、誰にでも優しいのではなくただ興味が無いだけで。そんなところを私にしか見せていなかったからタチが悪い。
学校では全くと言っていいほど話さないのに、家に帰ると必ず私の母親が作ったお菓子を頬張っていて。家に帰る度にイライラしていたのを覚えている。
「グルッペン君、またピアノのコンクール1位だって。」
「そういえばAちゃんも出場していたわよね?」
「Aちゃんはまた2位らしいわよ。」
「Aちゃんも上手いのだけど、やっぱりグルッペン君がねぇ。」
頑張っていたピアノも、1度も勝てることは無かった。ピアノは、小学生で辞めた。
中学生になってもそんな幼馴染は変わらず。私とグルッペンの絡みは全くなかった。その頃私は委員長などの責任あるポジションを獲得していて、3年生になって生徒会長に立候補した。が、結果は惨敗。もちろん、グルッペンがいたからだった。結果が発表された時のあいつの顔が今でも忘れられない。しかもなぜか私を副会長に指名していて。それが私にとっては許せなかった。
そして高校生。私はグルッペンから離れるために県外の進学校に進学した。
「...ねえ、なんでいるのよ!!」
「俺もここを受けたからだが?」
なぜかあいつがいて。またしても私を邪魔してくるのかと思い、徹底的に避けていたのに急に喋りかけてくるようになった。
「A」
「なによ、話しかけてこないでって言ってるでしょ。」
「今日弁当忘れただろ。ほれ。」
「な、なんで知ってるのよ?!」
「Aのお母さんが言ってたからな。今日はハンバーグらしいぞ。」
「ねえなんで私のお母さん懐柔してんの??しかもちゃっかりお弁当持ってるし??」
私としては仲良くなんてしているつもりなど無かったが、なぜかお似合い、なんて囁かれるようになっていて。グルッペンに一度問いかけたことがあった。
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