文豪×呪術

固陋蠢愚【改】[2] ページ29

× × × × × ×

伊藤｢吉野…｣

順平｢聞きたいことがある。…アレを家に置いたの、オマエか？｣

伊藤｢？なんの話──｣

とぼける伊藤の左手首に、僕は澱月の毒を注入する。

伊藤｢い"っ、なんだよ!!何したテメェ!!｣

毒は不気味な斑点をつくり、瞬く間に腕、肩、顔まで広がっていく。

順平｢なってないな。｣

僕はそのまま伊藤の左頬を殴り飛ばす。

順平｢まだ自分が質問を質問で返せる立場だと思っているのか。｣

今度は鳩尾を蹴り飛ばす。

順平｢オマエは死ぬんだよ。質問の答えがイエスでもノーでも。だって僕にオマエの嘘を見抜く術はないし、そうされるだけのことをオマエはしてきたからね。｣

だってそうだろ？

オマエは僕からいくつのことを奪った。

価値のあるものを、命を、生活を。

呪いを込めて、床に転がる伊藤へ向けて足を繰り返し振り下ろす。

原型の無くなった伊藤を澱月で持ち上げて僕は言った。

順平｢最期くらい誠意を見せてくれ。｣

伊藤｢ごめ"んなっ、ざい｣

順平｢で？………だから？｣

その瞬間、勢いよく開く扉。

そこに現れたのは、最後に別れたのが間もない、黒服の学生。

悠仁｢何してんだよ!!順平!!!｣

一緒に映画を観た。話した。夕飯を食べた。笑いあった。

…それがどうした。

今の僕にとっては、目的を妨げる、敵だ。

順平｢引っこんでろよ、呪術師。｣

× × × × × ×

いつかの君へ【改】→←固陋蠢愚【改】

ラッキーアイテム

喜久福

ラッキーキャラクター

太宰治

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す