君と過ごした夏が今でも飽和する<文スト 中島敦>

あの夏の日2 ページ3

「中島君...」

君は僕に震えた声で言った

「人...殺しちゃった...」

目に涙を浮かべただ僕をじっと見つめて

ーーーーーーーー
〜3時間前〜

「いっ...痛いっ...！！離してっ...！」

「駄目だよ。ptの少ない君はptの高い僕たちのペットなんだから」

「いやっ...！！」

ードンッ！！ー

もう嫌になったんだ こんなことされるの

私はこの痛みから解放されたくていじめッ子を突き飛ばした

「おい...コイツ死んでるぞ...！！」

「アイツが殺したんだ！！」

打ち所が悪かったらしくいじめッ子は死んでしまった

「先生を呼べ！！」

「アイツ...が...し...た...！！」

皆の声が段々遠くなっていく

私は走っていた

この現状から逃げるために

ただ一人のもとへ足を休むことなく動かし続けた

ーーーーーーーー

「そんな事が...実は僕もねこの孤児院から明日追い出されるんだ...」

「私は...何処か遠い人が居ないとこで死んでくる」

「そんなっ...！！」

死ぬなんて簡単に言わないでよ

死にたく無いくせにっ...

僕は決断した

「じゃぁ、僕も連れてって！
二人で死のう！そしたら...怖くないよ...？」

君のためにだした決断

君と死ねるのなら僕はなにも悔いる事はない

そして君は僕に涙を流しながら言った

「有難う...！」

って

その笑顔は僕と君が出会ったあの無邪気な笑顔だったー

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