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「ちょっと七番……。」


「七番様、状況ちゃんと理解して喋ってます?」



私の静止と一番の乾いた笑い声が重なる。

意味が分からない、という風に七番を見るも
彼も分かって無いようで。

心の声をそのまま口にすると



「つまり、こっちには人質がいるって意味ですよ!」



とんでもない事を言い出した一番。

何をするの?

そう問いただそうとする前に

なんだか想像してしまう様なネネちゃんの声が、受話器をすり抜けてくる。



「お、おーい。いちばーん?」


「い、一番?何して…。」



「実は先日、源会長に教わったんですけれどね。



脅しにも色々あるんですよ。」



後輩に何を教えてんだ、あんのドS祓い屋野郎。

なんて思うより先に、七番がぽんっと隣から居なくなった。

唖然として、その空白を見つめる。



「…ヒキョーだ。」



電話から漏れ出るその音に
もういいやと心の底から思った。
直ぐに間に割って入った七番の心情に、色を付けるつもりは微塵も無いし。
私は、きっと必要無いだろう。



「じゃあ七番達、後は任せたからね。」


「零番様はこっちへ来ないんですか?」


「私は要らないでしょ。それに……」



あの人が、もう来てると思うから。

それを言い残して、その場を後にしようとする。

が、「零番」と呼ぶ声に止められた。



「…何?」


「零番が居ないとイミ無いんじゃないの?」


「大丈夫でしょ。貴方が居るから。」


「でも……。」


「……。」



やけに諦めが悪い七番。
一体何なんだ。

訝しく思うが、時間も無い為
仕方無く口を開いた。



「…分かったよ。後で合流する。多分ね。」



保証はしないよ。

その返事は聞かずに、ガチャンと受話器を置いた。

さて。
私もそろそろ動かなくては。

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作者名:透空 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月3日 0時

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