【名探偵コナン】ポアロマスターの代理です。2

・ ページ46

『あ、珈琲持ってきてくれたの？
ありがとう安室君。』

安｢あ…、はい。｣

『ぷ…、何を素っ頓狂な顔してんの？』


珈琲を受け取って俺の顔を見ながら笑ってる。
いや本当に何を喋ればいいんだって！！
梓さんんんんん！！！！


『さっきの聞こえてた？
安室君も唇触らせてー！』

安｢はいぃぃっ！？｣

『んーー…やっぱり温かいよなぁ…』


この人は誰にでもいつもこんなだ。
男女の隔たりが無くて
逆に何を考えてるのか分からない。

未だ俺の唇を触りながら
考えている律。


『あんなに普通に居るのになー…』


何の事だが全く分からない事を言っている。
そんな律が"異性"というものを
意識してるのかが気になった。


安｢キスされる様な奴いるんだ？｣

『へ！？んー…そんなんじゃないんだけど。
というか口調口調。』

安｢そんなんじゃないって、
余計問題じゃないか！！｣

『あー…君もよく知ってる人だよ。』

安｢……？｣


やっぱり赤井かぁぁ『松田君。』…はぁ！？


『えと、あー…ほら夢だよ夢で！！
妙にリアルでさぁ〜』


夢で松田とキスって何！？！？
明らかに何か隠してるだろ！？
でも誰だかサラッと言った辺り
やっぱりフルオープンだな律は。


『神様の悪戯かしら？』

安｢にしても何故松田なんだよ…｣

『…松田君が好きだから？』


あいつらの事結構聞かれるけど
夢に出てくる程松田の事好きなのか！？
"推し"とか聞いたがそんなに
この言葉は深いものなのか！？
ダメだ、余計律が分からない…


『柄にもなくときめいちまったい。』


何だ、ちゃんと"異性"を
意識する所もあるのか…

そう認識した瞬間、
自分の心に何か黒く渦巻くものが
広がった気がする。

別に俺は律に
ただ近くで、幸せに生きていてくれればと。
それでも一度恋心を抱いてしまった俺は
そんな綺麗事を願いながらも
意識してもらいたいと求めてしまった。

気づいた時には自身の唇で
律の唇に触れていた。


安｢………夢じゃないリアルはどうだ？｣

『急なんだって…まぁでも
君の方が唇は薄いね…温かいけど。』


…冷静に分析されたんだが…
これ失敗？欠片も意識された気配無いぞ？
こんなにも鈍い奴いる！？

というか夢に出てきた松田の方が
柔らかかったって事か！！
松田め……っ！！覚えとけよ…


今現在何処にいるのか分からない松田に
悪寒が走ったそうな。

・→←52.常人とは違う思考の持ち主

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す