【名探偵コナン】ポアロマスターの代理です。2

45.風見の観察日記2 ページ24

風見side.

あの日、東雲さんから
ありえない事を聞いた以降
特に彼女に関しての頼まれ事を
降谷さんはしてこなくなった。

彼女の素性が分かったという理由があるのだが
私はどうしてもまだ納得がいかないのです。

という事で今日は降谷さんに内緒で
ポアロに彼女の偵察に来ました。
…ついでに昼ご飯も頂こうかと。


『いらっしゃいま…あぁぁ！！
風見さん！！』

梓｢いらっしゃいませ！！
律さんのお知り合いの方ですか？｣

『一応？ははは…』


彼女は私の姿を知らない筈だが
目にした瞬間名前を呼んだ。
やはりあの話は本当なのだろうか？
いや、事前に情報を手に入れていれば
さっきのやり取りも問題は無い。
未だに信じきれない思いが
少しだけ邪魔をしていた。

カウンター席に案内されると
彼女は注文を聞いてくる。
…なんてキラキラした目で見てくるんだ…
口元のニヤつき隠しきれてないし…
それともこれは何かの演技なのか…？

昼ご飯も兼ねているので
ナポリタンと珈琲を頼む。
それに対して笑顔で対応する彼女は
心から接客を楽しんでいるように思えた。

東雲さんではないもう1人の女性が
珈琲を持ってきてくれた。
一口味わえばそれはとても美味しいものだった。

暫くして運ばれてきた
出来たてのナポリタンは
ふわふわと湯気を立て、
ケチャップの香りが優しく広がっている。
タイミング良く鳴る腹はまるで
早く食え食え、と急かすようだ。


風｢…いただきます。｣

『はい、どうぞ。』


……彼女が作ったナポリタンは
とても懐かしい味がした。
最近の小洒落た物ではなく
至ってシンプルな昔ながらの…

少し実家に帰りたくなったのは
秘密にしておこう。


『お口に合いますか？』

風｢はい…美味しいです…｣

『それは良かったですよ！』


この料理の様にふんわりと笑う東雲さんは
誰が見ても分かる程、
素直に喜んでいるのだろうという笑みだった。

いやいや、油断するな風見！
何かボロが出るはずだ！！
食事を進めながらも彼女の観察に戻る。

するとテレビモニターを見ていた
彼女の表情が青ざめる。


『あぁぁぁぁ！！！！！
〇〇選手怪我で試合出られなくなったの！？
嘘ぉぉぉ！？！？
次の試合楽しみにしてたんだよー…ぉぉ』


文字通りガクッと項垂れる。
その姿を見て、笑いながら慰めるお客。
普段ピリピリとしたあの職場とは
正反対の平和な日常がここにある。

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