4 怪しげな人物の正体 ページ4
「君、モデルやってみる気、ない?」
今しがた自分が聞いた言葉をもう一度、考える。
モデルって、やっぱりあのモデルだよね。
雑誌とかでよく見る、きれいな服着ながらキラキラ笑っている人たちのことでしょ。
なんで私?意味が分からないんだけれど。と首をひねっていると前にいる男の人がプッと吹き出した。
へ?
なぜ笑われたのか分からないまま、ポカンとしながら見つめていると男の人は笑うのをこらえながら、
「いやぁ、君は面白い子だねぇ。僕の予想していた通りだよ。」
といって微笑んだ。
はあ。まったく、わけが分からないという表情をしていると、男の人が急に改まった口調で名刺をさし出してきた。
「芸能プロダクション、ヴィーナス ファッションモデル部担当、宮瀬 景吾・・・さん?」
顔をあげると宮瀬というその男は軽く頭を下げ話し出した。
「僕はヴィーナスという芸能プロダクションに所属しているスカウトマンだよ。
街で君みたいなカワイイ子を探してスカウトをする。それでテレビや雑誌にでるようなスターを生み出すんだ。今日の朝、偶然君のことを見かけてね。なかなか期待できそうだったからつい、声をかけてみたんだよ。」
なんだ。そういうことだったのか。それにしても何で私?
「どう?君、モデルをやってみる気はないの?」
宮瀬さんにそう聞かれ私は、口を開いた。
「すみません。とてもうれしいのですが私の母はそのようなことには、すごく厳しい人なので。
難しいと思います。本当に、すみません。」
と言って頭を下げる。すると宮瀬さんはニコニコの笑顔で「大丈夫だよ」と言った。
え、何で?
またまた首をかしげていると宮瀬さんは今度はとんでもないことをいい出した。
「君は知らないかもしれないけれど、君のお母さんの恭子さんは昔、伝説のスーパーモデル「恭子」としてあらゆる雑誌に引っ張りだこでうちの事務所の看板モデルだったんだよ。まあ、結婚を理由に引退しちゃったけどね。事務所側は猛反対したみたいだよ。」
え、ええぇぇええええ?!
初耳!!
そういうのには超厳しそうなウチのママが。
全然知らなかった。
「ということで君のママには僕がさっき連絡しておいたから。そしたら大歓迎だってよ。という事で宜しく。早速だけど今週の土日雑誌の撮影あるから。あ、マネージャーは僕ね。じゃあ、撮影の日は僕が迎えにいくから。お母さんにも言っといて。」
といったら凄い速さで去って行った。
あ、あれ?
私、モデルになっちゃいました。
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藤峰莉咲 - 未羽さん、ありがとう!これからも頑張ります。 (2018年5月7日 18時) (レス) id: 952dfedcf3 (このIDを非表示/違反報告)
未羽 - 更新楽しみにしてます!頑張って下さい (2018年4月29日 19時) (レス) id: a1430944e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤峰莉咲 | 作成日時:2018年4月29日 18時