箱詰めされた男達を拾っちゃったんだが【混部】3

拾った62 ページ10

A「良いじゃないですかジョセフさん、今隠したってどうせ明日バレちゃうんですし」

ジョセフ「嫌だ！そんなのお断りだぜ俺は！！」



頑なに言おうとしないジョセフさん。そりゃあ私だって「文化祭で私のクラスはメイド喫茶をやることになって、私はメイド担当になりました」なんて言いたくないけどさ！！



どうせ明日の担当さん(？)にバレるんだから良いでしょうよ！！寧ろ今から順繰りでバレていくんだからさ！！文化祭準備のために毎日それに関する授業入ってるんだし！！



何とか出来ないだろうか……ハッ！



A「ジョセフさん、ちょっと耳貸してください」

ジョセフ「何よォ〜俺は何を言われようと……」



そうぶっきらぼうに言うジョセフさんを無理矢理引っ張って少し離れたテーブルのそばまで移動した。突然の行動に承太郎さんは驚いたまま腕だけは私を抱き抱えていた時の形でフリーズしている。シュールだ。



私はジョセフさんの耳元でこう言った。もうこれしか浮かばなかったから。



A「ジョセフさんも聞いてたとは思いますけど、お客さんが来たらお帰りなさいませご主人様」って言わないといけないとか言われたじゃないですか」

ジョセフ「言われてみりゃあそうだったな…。」

A「私あれマジで言いたくなくって、テキトーにやり過ごそうと思ってるんですけど……もしジョセフさんが文化祭の話をするって言ってくれたら…。」

ジョセフ「言ったら？」



一瞬言うのを躊躇った。いやしかし！ここまで来て引き下がるわけにはいかない！さっきのジョセフさんと同じことをしていることになってしまう。



勇気を出して一息吸った私は言った。



A「ジョセフさんにだけは全力で「お帰りなさいませご主人様」って言ってあげます…！これでどうですか」

ジョセフ「！！」



ジョセフさんは大きく目を見開いた。

拾われた37→←拾った61

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す