月の名を冠した短刀 ページ2
【新たな刀剣が実装されました】
その報せはすぐさま各国の審神者に伝わった。
“本体は行方不明で最近文献が発掘されようやく存在が実証された短刀”
――十六夜藤四郎。
鍛刀かどこの戦場で入手できるかはわからず、実装が通達されて半年経っても顕現した審神者はいない。
そして…
「十六夜？…いえ、聞いたことがありませんが」
他の粟田口の刀剣は十六夜藤四郎のことを知らないらしい。
誰かが言った――十六夜藤四郎は偽物なのではないか、と。
実装が発表されて一年が経とうとしていたある日、とある本丸で…
「…十六夜藤四郎。
月の名を冠した幻想の短刀がある本丸に姿を現した。
――…
審神者は執務の休憩に近侍の一期一振とともに本丸を回っていた。
縁側を歩いていると庭に咲いている桜の木をぼんやりと眺めている人影を見つける。
「あれは、」
「十六夜、…ですな」
一期一振は足を止めて十六夜の背中を見つめた。
つい最近本丸にやってきた十六夜藤四郎。妹、のはずなのだが…
「今日も１人、なんだね…」
「…」
兄弟で遊んでいることが多い藤四郎兄弟だが、十六夜は兄弟たちと距離を取っている。
「厚くんに偽物って言われたことを気にしてるのかな…」
「いえ、厚が言うには話しかければ普通に返事をしてくれるらしいので…和解はしているのではないかと」
それは十六夜が顕現し、本丸を回っているときのことだった。
＜大将、新入りか？＞
＜うん、十六夜藤四郎だよ。厚くんの兄弟だね＞
＜十六夜…あぁ、偽物(って呼ばれてる)…＞
＜！厚！！＞
その場にいた一期一振に叱られ、失言に気づいた厚はすぐに十六夜に謝った。
＜気にしてません＞
無関心、十六夜の目は何も映してはいなかった。
本当に気にしてないのだろう、自分が偽物と呼ばれたことも…兄弟のことも。
「…寂しい、ものですな」
経歴を聞いても“人間に使ってもらっていた”としか言わない。
――遠い
舞い散る桜の花びらに何を思っているのか、一期一振は十六夜に声をかけることはできなかった。
(…桜餅、食べたいなー)
十六夜は本当に重いことは考えてません。
人間に使ってもらっていた、というのも幻想郷にはむしろ人間の方が少ないからその返答になっただけです。
あれ、軽く勘違い入ってる？
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凛音 - 続きがめっちゃ気になります！頑張ってください！ (12月30日 11時) (
レス) @page26 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - これで終わりなのが寂しいです。 (9月22日 0時) (レス) @page25 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き！！(プロフ) - 続きがとても気になります！更新頑張ってください！！ (2021年2月9日 19時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
乱 - 咲夜の奴ですね………とても面白いです！更新頑張ってください！ (2021年1月1日 3時) (レス) id: 0830061a27 (このIDを非表示/違反報告)
Qたん - 更新、頑張ってください！！！！！！！！ ( ´∀｀)bｸﾞｯ! (2018年12月17日 0時) (レス) id: 1e4cd3bd39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚子ポン酢 | 作成日時：2015年9月15日 19時
