波乱万丈 (ページ29)

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29 こんなのページ29

その日はまぁまぁの凍てつき具合だった。
他の芸人さんが出待ちされてるのを微笑んで見送って、自分も帰ろうと出たところ、一人のお客さんが自分を見つめてることに気がついた。
こんなんでもついに出待ちするほどのファンがついたのかと、少しルンルンで近寄った。

A「あの、ミカヅキツキのAさんですよね？」

『はい！そうです！』

A「あんたたちさあ〜…………。特にあんたは〜………。」

２時間ほど、外で説教を食らった。ネタだけではなく、私と相方の人間性について、見た目について。全てへの説教。
それが何日も続いた。今考えれば、よく毎度２時間も説教できたなとは思う。でも、たぶん今やられても同じダメージを食らうなとも思う。
ついにはなんも考えられなくなって、ネタ終わり、あの人に見つからないよう公園で休憩してたときだった。

？「あ、さっきのネタ見ましたよ。ミカヅキツキのAさんですよね？」

『はい。そうです。すみません。面白くなかったですよね。』

完全に自信をなくし、これ以上怒られないようにだけ気をつけてた。

？「いや、そうじゃなくて。今日のネタ面白かったですよ。いつもより吹っ切れてて良かったと思います。」

そんなときに出会って初めて褒めてくれたのが浦田くん。
メンタルもグズグズになってて、自分の世話すら危うい状況だった私の家に何度か泊まって、いろいろやってくれたりもした。
なんやかんやで一緒にお笑いについて話し合う仲にまでなり、私もなんとかもとの元気を取り戻せた。
感謝してもしきれない。