波乱万丈 (ページ19)

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19 あのね、ページ19

なんだかんだ準備はできて、ついに今日はヤスさんのお誕生日。

佐原、町田さん、中野くんは先にもう佐原の家にいて準備をしてる。
つまり、私がヤスさんを連れて行く係だ。
そのくらいお安い御用である。…はずっだった。

京極「あ、どこ行くん？今日一緒におれん？」

風斗くんに捕まってしまったのだ。
これを断れるはずがない。
風斗くんも一緒に来る〜？みたいな感じにできればよかったのだが、あいにく佐原は断固拒否である。

『風斗くんあのね、今日はちょっと無理なの。私も一緒にいたいんだけど、先約があって…本当にごめんなさい。』

京極「…それは仕方ないね。また今度にしよ。」

あー！！！もう、誰か私を切ってくれ。
断ることがこんなにつらいなんて思ってなかった。
できることなら全て捨てて一緒にいたい。
それでもやることをやらなければ。

『ヤスさん〜！これから佐原の家でタコパするんですけど来ませんか？』

ヤス「え！マジすか！やった！行けますよ。みんな先に行ってるんすか？」

『みんなは買い出し行ってくれてるんです』

ヤス「なるほど、じゃあもう行きましょ、行きましょ。」

完全にタコパを信じた。
実際のところたこ焼きはないが、パーティーなことに変わりはない。
準備完了のメッセージをこっそり確認して、私は劇場を出た。
最後に、風斗くんがソファに静かに横たわっていたのが視界の端で見えたのが何よりつらかった。