きゅーう ページ1
1時間ほどして、またもや無言で会議室の扉が開く。
義勇先生が戻ってきたのだ。
「冨岡先生、お帰りな──」
アオイちゃんの出迎えのことばが途切れたのもしかたない。
………何しろ、生徒たちが口を揃えて血も涙もないと騒ぐ義勇先生の頬を、大粒の涙が伝っていたのだ。
この場のぜいいんが硬直する。
「どうしたんですか?冨岡先生」
と、千寿郎くんが心配そうに尋ねる。
「────した。」
言葉足らずな冨岡先生に痺れを切らすこともなく、なお千寿郎くんが問うた。
「宇髄先生と喧嘩しちゃったんですか?それで泣いちゃったんですか?」
「………感動した。」
「は?」
まさか誰も思考を巡らせなかった言葉に、みんなの頬が引き攣った。
しのぶせんぱいまでもがだ。
「………あれほど心に染みる歌詞を、俺は生まれて初めて聴いた」
それだけ言うと、余韻に浸るように目を伏せ、睫毛の間を縫いぽろぽろとなみだが落ちていく。
1名を除いて、この場の空気が凍り付いた。
その除かれた1名は、義勇の元へ駆け寄り、熱い握手を交わす。
「義勇先生ッッ!!!まさか貴方がハイカラバンカラデモクラシーにご理解を得るとは思いもよりませんでした……!
この小鳥遊A、無礼を心より恥じたいと思います!」
この瞬間、義勇とAの間に何かが生まれたのをカナヲは肌で感じた。
「音祭当日は、一緒に痛バとペンラを持参しましょう!
義勇先生の分も、用意しますよ!
先生はどなたのにします?わたしはもちろんのこと善逸くんなのですが……」
「……歌詞が、良い。」
「作詞は善逸くんですね!
わたし以外のひとが善逸くんの痛バ組んでるとかむりすぎるので
義勇先生は宇髄先生にしましょう!」
「構わない」
この二人の会話には、さすがのしのぶも額に手を当てた。
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りろんはログインできなくなった女(プロフ) - 有希さん» んぎゃー、ありがとうございます!!!新しいアカウントで最初に出す作品は絶対これ!っていうの出したら出す予定です汗わたしも劣等感の夢主ちゃんとても気に入っているのでそう言っていただけて毛根が全て溶けそうな感覚です!気長にお待ちくださればと思います(泣) (2020年11月18日 18時) (レス) id: 635abaddbe (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - りろんはログインできなくなった女さん» 文化祭のくだり笑いすぎました。りろんさんの作品読んでると「ヘアッ」みたいな笑い声が出ます。早く善逸くんと会えたらいいな。ここで言うのもなんですが、劣等感の主人公メッチャすきです。林檎嬢みたいで魅力的。別アカでの更新をお待ちしています。 (2020年11月15日 19時) (レス) id: e15740c466 (このIDを非表示/違反報告)
りろんはログインできなくなった女(プロフ) - カウントで、りあこ同担同嫁拒否や劣等感を殺しに来て、等更新致しますのでよければそちらの方でご覧いただければ幸いです。出し次第、再びご報告致しますのでお待ちくださいませ(泣) (2020年11月7日 17時) (レス) id: 635abaddbe (このIDを非表示/違反報告)
りろんはログインできなくなった女(プロフ) - 皆様こんにちは、名前やアカウント違いますが作者本人です。スマホを修理した際にログインできなくなってしまい、新しいアカウントを作りました。元々投稿していた歌い手さんの作品と、きめつの作品でアカウントを分けていましたがこの際混合させてしまいます。新たなア (2020年11月7日 17時) (レス) id: 635abaddbe (このIDを非表示/違反報告)
つ か さ(プロフ) - alice roseさん» ありがとうございます、とてもうれしいです。誠心誠意完結まで持ち込みたいと思います。 (2020年10月6日 17時) (レス) id: b6dced51d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つ か さ | 作成日時:2020年9月27日 11時