No.4:また、 ページ4
『…善逸くん』
「ん、なあに?」
彼女は立ち上がって、何か言いたげにこちらを見つめた。
その言葉の先を見つめ返して待っていると、Aちゃんの大きくて、鮮やかな赤い瞳に思わず惹き付けられた。
顔も可愛い。
肌はかなり白い方だけど、人間と同じ暖かさがまだある。
髪も綺麗でいい匂い。
性格も、もちろん優しい。
そんな彼女はなんで俺に会いに来てくれるのだろう。
彼女に見惚れたまま黙っていると、やっと彼女は口を開けた。
『…また来てもいい?』と彼女は少しだけ不安そうに聞く。
その問いに俺が頷くのは当たり前なのに。
また来たいと言ってくれるのが嬉しくて、とびっきりの笑顔で応える。
「もちろん!
ていうか俺がAちゃんのとこに行ってみたいな…」と呟いてみる。
しかし、よく良く考えればAちゃんが帰っている場所は何処だろう。
やはり鬼のいる場所に住んでいるのだろうか。家族はみんな鬼かもしれない。
そう考えるとさっき言ったことをかなり後悔した。
顔面を蒼白させる俺の頬に優しい手つきで撫で、嬉しそうに笑った。
今度はほんのり優しい音だった。
『いつか、ね』
「…じゃ、じゃあまたね!!」
『うん、またね。
…善逸くんが、今日も息災でありますように』
そう言ってAちゃんは、母親のような優しい手つきで俺の頬を撫でる。
そしてAちゃんは真っ赤になった俺に微笑みかけて、夜の街に消えた。
____
善逸と別れた後、
Aは無限城へと向かっていた。
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作成日時:2020年1月23日 15時