鬼になりましたが何か？(泣)【鬼滅の刃】

陸 ページ7

〜我妻side〜


「行きたくない…行きたくない……」


そうボソボソ呟きながら、藤襲山へ向かう。


――最終選別、生き残れるかな。


だって、鬼が大量にいる山で、7日間生き残らなきゃダメなんだろ？


――俺みたいなやつが、そんなところで生きていられるのかな。


悪い想像ばかりしてしまって、足が竦む。



『兄さん、そんな嫌々やってたら選別いけないよ？』

「いけなくていいよぉ」



A………



『私は行くから、兄さんは一人ぼっちだねw』

「それはやだなぁ」



生きて、鬼殺隊として戻って……


Aを、喜ばせてやらないとなぁ。



そうだ、Aが待ってるから、いかなきゃな。

嫌だけど、怖いけど、足が竦むけど。


Aが、待ってるぞ。


―――


結構歩いてたら、藤の花が見えてきた。


綺麗だなぁ。Aにも見せてやりたい。


Aが鬼になってなかったら、Aと一緒に見れてたのかな。


「………」


そうだ、最終選別から生きて戻れたら、藤の花を持って帰ってAに見せてやろう。

きっと喜ぶだろうな。

……でも勝手に持ってっちゃったら怒られちゃうかな。


藤の花を見ながら歩いていくと、最終選別会場(？)的なのに着いた。

周りを見ると、沢山の人達がいた。

中でも特徴的だったのは、サイドテールで、蝶の髪飾りをつけた女の子と、

傷だらけで目つきが鋭いやつだった。


……それと、後から入ってきた赤髪で狐のお面を付けたやつ。

いやぁ、傷だらけのやつとか赤髪のやつとかはいいけど、あんな華奢で可愛らしい女の子がなぁ。

……それ言ったら、Aだってそうか。


そんなことを考えながら、選別の合格条件を聞いていた。


――――

「「では、行ってらっしゃいませ」」


ずっと聞いていると、説明がいつの間にか終わっていた。

合格するには、ただただ生き残るしかない。

そうするしかできない。


……あれ、なんで俺やる気になってんだろ。

…Aのためだからな。


俺みたいな弱いやつは、戦うより逃げる方がいいよな。

そうしたほうが、生き残れるよな。

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