第51話 ※過去 ページ2
その日から、施設の子達には避けられ仲良くしていた友達にも蹴られ殴られる日々が続いた。
あのとき、俺が死んだじいちゃんの前に立っているにも関わらず罵倒しなかった施設の人は、しばらく経って辞めてしまった。
あの人だけは、あの日の後もきちんと世話をしてくれていたのに。
とても美人で優しい人だった。
_______
あの日からひと月ほど経ち、俺は施設ではほとんどいない存在のようになっていた。
だからいつ抜け出しても何も言われない。
今日もいつものようにパン屋へ向かう。
そこで今までに見たことの無いくらい目を輝かせる少女に出会って。
たまごサンドを見つめる君は、とっても幸せそうな音をさせてた。
だから俺はその子の笑顔をもっと咲かせたいと思ったんだ。
「ねぇねぇ!」
「…?」
「いま、ひとり??こっち来てお話しようよ!!」
「…!!うん!」
聞くとお母さんは奥の方でパンを買っているらしい。
その子はどこか懐かしい感じがした。
「ここのパン、すっごくおいしい…!!」
「でしょ!このパン屋は世界一なんだよ!」
俺は誇らしく胸をはる。
手には、炭治郎からもらったたまごサンドの入っている袋。
「ここよく来るの?」
「家みたいなもんだよ」
俺は衝動的に持っている袋を渡す。
少女は一瞬吃驚させた顔をしたが、ありがとう、と顔を綻ばせた。
今考えれば、年端もいかない俺が一生懸命手伝いをして手に入れたじいちゃんを思い出させるものだったのに、なぜ知り合ったばかりの少女に渡してしまったのだろう。
でも彼女の眩しい笑顔を見れたので後悔はしていなかった。
「Aー、そろそろ帰るわよー」
不意にそんな声が聞こえてくる。
少女はそれを聞いて立ち上がった。
「はーい。また来るね!」
「うん!待ってる」
まだ幼い俺でもわかるほど美しい顔立ちをした彼女が嬉しそうに帰っていく様子を、俺はずっと見つめていた。
(……でもなんだろう、)
彼女の音の感じ。
前にも聞いたことがある。
(それになんだか胸騒ぎがする。)
じいちゃんのときのような。
「おーい善逸ー」
「ん!?なに、炭治郎!」
考えている途中で炭治郎に呼ばれ、俺はモヤモヤしながら炭治郎のもとへ向かった。
.
遅くなってしまいすみません…!
課題が終わらない&スランプになってしまっていました…。学校が始まってしまうので頻度は落ちてしまうと思いますが、これからもちょくちょくと更新頑張ります…!
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りお(プロフ) - sera:0012さん» 意外性?みたいなのを出せるように頑張ったので、そう言ってもらえて嬉しいです!! (2020年6月8日 22時) (レス) id: 9caa94bd8c (このIDを非表示/違反報告)
sera:0012 - はわわわわ…まさか童磨が出てくるとは…(・д・)スゲェ…… (2020年6月8日 19時) (レス) id: d4dd6494ae (このIDを非表示/違反報告)
葉桜透 - りおさん» 本当ですか!?私もそう言って頂けて嬉しいです。頑張って下さい! (2020年6月6日 23時) (レス) id: 4d7d5a1664 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 葉桜透さん» 葉桜さん…!?わわ、葉桜さんの作品めっちゃ読んでます…!!すごく嬉しいです!!o(*゚∀゚*)o更新頑張ります! (2020年6月6日 23時) (レス) id: e51e299203 (このIDを非表示/違反報告)
葉桜透 - すっごく面白いです!続き、楽しみにしてます(≧∇≦)これからも無理しない程度に頑張ってください、応援してます。 (2020年6月6日 15時) (レス) id: 4d7d5a1664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉桜 | 作成日時:2020年5月24日 20時