善 ページ8
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〈善逸〉
俺と伊之助は、隠の人に連れられて、辺り一面が藤の花に囲まれた屋敷にやってきた。
連れてきてくれた、隠の女の子がとても可愛くて道中沢山話しかけたら、伊之助からうるさいとゲンコツを喰らった。
着くなり、背負われていた俺達は、門前で雑に下ろされた。決してご無礼はするな、と念を押されて。
「ね、ねえ伊之助。そんなに怖い人なの?ここの屋敷の人。え、だっておかしいよ。」
「だって、あんなにそそくさと帰る?!」
「え、俺達はどこに連れられてきたわけ?!」
「うるせー、もんいつ。早く行くぞおら。」
そう言って、怖い物なしの伊之助は、俺を引きずりながら門をくぐる。
屋敷の扉を叩くと、すぐに扉は開いた。
〔いらっしゃい。どうぞ。〕
と迎えてくれたのは、とても美人な人。
ええええええええええ、こんな美人いるなんて知らねえよ!は?え、誰?!
〔あ、申し遅れましたね。〕
〔華柱の華未Aです。これから、よろしくお願いしますね。善逸さん、伊之助さん。〕
「あ?なんでお前、俺の名前知ってんの。」
ばこん。
「お、おおお前なあ!柱様に向かって、どんな口聞いてやがる!すいませんんんんん!」
〔いえいえ、いいですよ。疲れてるでしょうから、お部屋に案内しますね。〕
かわいい。かわいすぎる。
そして、やさしい音がする。
とてもやさしい音。
それでいて、懐かしい音だ。
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夢世_yumese_(プロフ) - オリジナルフラグ外しましょう! 違反報告される場合があります。 (2020年2月10日 16時) (レス) id: 093bdce514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:和 | 作成日時:2020年2月10日 0時