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おじさんはわたしを背負って、そう言った。




「A、目を瞑っていなさい。」

〔…なんで?どうして、目を瞑るの。〕



おじさんからは、いつもやさしい音がする。

なのに、今日は怒っている音が聞こえる。



「いいから、ほら。」

〔うん。わかったよ。瞑った。〕



おじさんは、家の扉を開けた。

すると、血の匂いとかなしい音がした。

さっきよりも濃く、大きく。



「いいかい、A。」

「今から、おじさんの言うことを聞いて。」

「きみの、おかあさんと、おとうさん…」

「双子の妹、弟は。」





「鬼に、…鬼に喰べられてしまった。」







〔うそだ。そんなのうそだもん。〕

「…嘘じゃないんだ。嘘じゃないんだよ。」

〔やだ、やだ。そんなの嫌だ。〕

〔ねえ、どうして。〕

〔Aが約束、破ったから?〕

〔はやく、おうちに帰らなかったから?〕

〔ごめんなさい。〕







泣きじゃくった。

おじさんの着物は涙でぐしゃぐしゃだった。

そのまま、わたしはおじさんに引き取られた。

それは、5歳の時であった。







それから時は経ち、私は13になった。

おじさんは“鬼狩り”、鬼殺隊の元柱だった。

そして、鬼殺隊史上最強と呼ばれる人だ。

そのおじさんに育てられた私は、13で鬼殺隊に入り、柱に昇格するのもそう長くは掛からなかった。



わたしは、他の人とは少し違っていた。

色々な種類の型が使えた。

水、炎、岩、風、雷、蛇、花、蟲、恋、霞、獣、音、日、など。自由自在に使えた。

独自の型もあった、華の呼吸だ。





鬼殺隊に入り、何体もの鬼を倒した。

その最期は、いつも悲しくて辛かった。

ひどくつらい、かなしいにおいと音がしたから。





だから、わたしはおじさんが亡くなったとき、心に決めたことがある。もう大切なものは作らない、と。

守るものがあればあるほど、人は弱くなる。

それは決して悪いことではない。

だけど、私は鬼殺隊の柱だ。

守るべきは、この世の平和のみ。

それだけで十分だ。






おじさんは最後に言った。

「大きくなったな、A。」

「後は、頼むぞ。」

大きくてあたたかい、おじさんの手。







だから、私は。

私は、鬼殺隊として鬼を斬る。

それだけ。

アイツを倒して、おしまいにする。

鬼のいる世界なんて、早く消えてしまえ。

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夢世_yumese_(プロフ) - オリジナルフラグ外しましょう! 違反報告される場合があります。 (2020年2月10日 16時) (レス) id: 093bdce514 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月10日 0時

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