もう一度会いたい・・・～守りたいもの～ Part１【絶鬼】 (ページ9)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:447,655 hit

８　絶鬼Side ページ9

僕が、妖狐・玉藻に『待っているよ』と言った後さっきから気になっている気配・・・といってもAだろうけどね。
さっきの話はあまり聴いてほしくなかったんだけど・・・そう思いながらAが居るであろう扉を開けると案の定Aはダッシュで廊下を走っていた。

絶「・・・あれ？なんで逃げるの？」

そう、思いながらAの後を追うと

貴「ふぅ・・・此処までくれば大丈夫なはず・・・てか、バレてなかったかな？」

Aが呟いているのを聞いてあえて「何が大丈夫なの？」と聞いてみるとすごくビックリした顔で僕を見ると徐々に顔が青ざめ始めた。
クスッ・・・なんか面白くなったから追い打ちをかけるようにまた、同じことを聞いてみるとAは、観念したようでポツポツと話し出した。

貴「ねぇ・・・なんで私には玉藻先生に言ったような作戦を言わなかったの？そんなに私・・・頼りないかな・・・？」

そう言ったAの目からは涙が流れていた。まさか、そんな事を言われるとは思いもしなくてそれに、Aが泣いてるん顔なんて・・・見たくないんだ。だから、僕が思っていたことをAに言うことにした。

絶「違う・・・そんなんじゃないんだ！ただ、Aを危険なめに合わせたくなくて・・・」
貴「そんな・・・そんな気遣いいらないよ？！・・・私は絶鬼が戻ってきてくれて嬉しかった・・・！だから絶鬼がお兄さんの封印を解きたいって言った時・・・私も何か出来ることがあったら手伝いたい、力になりたいって思ったの！」

そう言ったAは泣き崩れてしまった。僕の気遣いでAがそんなに気づいていたなんて知らなかった。僕はAをそっと抱きしめた。壊れて消えてしまわないようにと・・・

貴「っ？！・・・うぅっ・・」
絶「ゴメンA・・・別にAが頼りないからとか、そういうのじゃないんだ。たださ、初めて好きになった子が傷つく姿は本当に、もう見たくないんだ・・・」

昔、Aが妖怪と戦った時に重傷を負ってしまって命の危険があると病院の先生に言われた時は頭が真っ白になった。
だから、その時から僕はAがもうあんなめに遭わないようにと強くなることを決意した。
でも、良かれと思ってやったことが逆にAを傷つけてしまったことは事実だ。

貴「・・・ゴメンね。絶鬼がそんな風に思っていたなんて知らなくて・・・」

そう言ったAはどこか安心したようなそんな顔をしていた。