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「そういう一ノ瀬くんだって
授業の最初 注意されてたじゃん」
「あー…ちょっといつもより音量でかかったみたい」
鞄からちらりとのぞくヘッドフォンを指差しながら苦笑まじりに言う彼
少し間が生まれて、質問をするなら今しかないと思った
「一ノ瀬くんってさ、いつもなに聴いてるの?」
一ノ瀬くんは突然の質問に戸惑ったようで、視線を宙に彷徨わせる
「あー、、ボーカロイド…ってわかる?」
聞いたことのないカタカナの羅列に首をかしげる
そんなわたしの反応を見て分かっていないことを察したのか、一ノ瀬くんは説明をしてくれる
「音楽会社が発明したものなんだけどさ…
機械の音声をコントロールして思い通りのことを喋らせたり歌わせたりっていうもので
うぅん、説明難しいな」
機械が喋る…?
機械と聞いて頭に浮かぶのは角ばった銀色の物体がウィーンガシャンと動くところだけだ
「ロボットみたいな…?」
「いや違くて、そういう感じじゃないんだよ
あー…パソコンがあれば色々見せてあげられるんだけどなあ」
そのボーカロイドのことを語っている一ノ瀬くんはとても楽しそうで
ほんとうに好きなんだということが容易に理解できる
「聴いてみる?」
いつも一ノ瀬くんがつけているヘッドフォンが目の前に差し出された
その圧力に押されて思わず頷いてしまう
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作者名:ひより | 作成日時:2019年7月18日 14時