そらいろのきみ【そらる】 (ページ2)

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少ししか話せなかったけれど、意外と面白い人なのかもしれない

話しづらいという勝手なイメージを持っていた自分に反省…

少し気になってしまって授業を受けている一ノ瀬くんを横目で盗み見る

黒板を見据える瞳は休み時間に爆睡しているとは思えないほど集中していて
メリハリの付け方に驚く

きっと、真面目なんだろうなあ

そんなことを考えているうちに、50分もの授業は終わっていた

「っ、ねえ」

トイレに行こうと席を立つと、突然手を掴まれる

振り返って、その手の主にとてもおどろいた

「一ノ瀬くん…？どうしたの？」

「さっきの授業のノート、写させてくれない？」

「さっきの授業？
一ノ瀬くん、ノート取ってたんじゃないの？
真剣に聞いてたじゃん！」

先程盗み見したときはちゃんと起きて授業を聞いていたはずだ

「え、なんで真剣にしてたってわかるの…？」

「…あ」

ついうっかりしてしまった
盗み見したことばれたかな…？

返答に悩んでいるうちに一ノ瀬くんは自分の中で答えを出したようで何やら納得そうな顔をしていた

「あ、でも…まあ、視界に入るか
なんか自意識過剰みたいなこと言ってごめん

今日朝から目が痛くてさ
黒板の字しっかり見ることができなかったんだ
よかったら貸してほしい」

たしかに顔をよく見ると右目が充血しているような気がする

「いいけど…わたし字きたないよ？」