皆うっかりしてる話／デデデ大王：�� ページ20
突然ですが、大切な物をなくしました。
血の気がサァーッと引いていくのがわかる。
「せ、せっかく大王様が私にくださったのに……！」
定番のベッドの下を始め本棚をひっくり返して、持っている全部の服や鞄のポケットを漁って、部屋中をくまなく探してみても、どこにもない！
まさかお城の中？ だったら大王様に見つかる前に探し出さないと！
◆
……と意気込んでみたが、見つからない。
念のため、落ちていないと分かってはいるけれど、最近立ち入らなかった部屋の中でも探している。
椅子に腰掛け、最後にどこで見たのか思い出していると、後ろから声を掛けられた。
「おい？ A、こんなところで一体何をしている？」
「だ、だ、大王様！」
まさかまさか、今一番見つかりたくない人に話しかけられ、心臓が口から飛び出そうになった。
「何でもないんです！ ちょっと……落とし物をしてしまって、探していた次第です」
「落とし物だと？ どんな物だ？」
「え？ あ、えーっと……」
あぁ、慌てて取り繕ったらうっかり口を滑らせてしまった。
「大王様から頂いた物を落としてしまいました！」なんて正直に言おうものなら、どんな反応が返ってくるのか分からなくて怖い。
「なんだ、オレ様に言えないような物か」
「う……ううん……そ、そうです」
「な、何！？ 冗談で言ったつもりだったが本当だったのか！？」
何を落としたのかなんて口が裂けても言えないから仕方なく肯定したとはいえ、何やら変な誤解をされた気がする。
土に埋まりたい程の羞恥になんとか耐えていると、大王様は部屋にある机の上を荒らし始めた。
埃だらけだからガウンが汚れてしまうのに急に何を……？
……あ。
自惚れかもしれないけど、ある可能性が浮かんだ。
「もしかして、一緒に探してくださるんですか？」
「そうに決まってるわい！ 部下が困っていたら助けるのが上司の鑑だわい」
「大王様……ご自分で仰るんですね」
確かに大王様以上に頼りになる方はいらっしゃらないから、手伝ってもらえるのは助かる。
普段の捜し物の場合はだけど。
今回ばかりは、と大王様の方を見る。
ガウンやお体が埃にまみれてしまうことも厭わずに、私の落とし物を捜してくださっていた。
「……大王様。すみません」
皆うっかりしてる話／デデデ大王：�□�←※どんなことでも厭わない話／ハイネス
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東方&カービィラブ - 初めまして。全て読ませていただきましたが、どのお話もとても素敵でした！更新頑張ってください！これからも応援させていただきます！ (2018年8月28日 17時) (
レス) id: 17342e30fb (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - おとうふさん» ありがとうございます！これからも思いついたままに書いていくので、どうかお付き合いください。 (2018年8月5日 22時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
おとうふ - コメント失礼します！この小説を一通り読みました。それぞれのキャラクターを原作通りに表現できていて読んでてとても面白かったです！これからの更新楽しみにしてます！！ (2018年8月5日 19時) (レス) id: 656bcd2590 (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - さうざん(菜っ葉)さん» ありがとうございます！大分自分の解釈や妄想も入っていますが、そう感じていただけていると安心しました。 (2018年7月30日 21時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - いきなりのコメント失礼します。作者様のお話を全て読ませていただきました。どれも原作通りのキャラクターで、文章がとても細かく表現されていて、読みやすかったです。これからも更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 883b22f60a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆打 | 作成日時：2018年7月9日 23時
