【ブルーロック】ようこそ特遊郭、青日和屋へ【男主】 (ページ5)

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四の花ページ5

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場所は妓楼屋『青日和屋』の楼主の間。

丁度知らないままに背を預けていた妓楼屋の壁が僕の伺い奉る場所だったようで、なんという偶然かと内心でこぼす。

｢加賀野のおやっさんは元気か｣

『…ええ、はい』

声が震えないよう細心の注意を払いながら口を動かすのは、なんともいえん難しさがある。

それでも此方を無遠慮に上から下まで品定めかのように見てくる目に、目を合わせて頷く。

｢文でもお前の事は確認はしたが、今からお前を雇用するにあたって、此方は提示するべき条件がある｣

『な、なんでしょうか』

次こそ声が震える。

無理難題じゃあなきゃいいんだけど。

｢うちの遊男に惚れるな｣

『………………………』

ぽかんと間抜けに口を開けてしまうのも仕方なかろう。

まさかそんなものを言われるとはつゆほども考えやしなかったんだから。

『……わ、かりました』

返事を何とか返せば、楼主は頷き何やら紙を渡してくるではないか。

｢これが今日からお前の名前になる。真名は明かすな｣

『……え。ぼかぁ飯炊きとしてお呼ばれしたんじゃないんですかい？』

｢なんだそれは。俺は知らんぞ｣

『え、ええぇ……』

情けない声が室内に木霊する。

話が違うったらない。おやっさんによれば、飯炊きとして働かすってんで此方に来る前に異国の料理にも手を出したっていうのに、こんなのってないんじゃなかろうか。

｢…はぁ、お前んとこのおやっさんはてきとうな奴だとは思っていたが、てきとうを通り越して阿呆なのか｣

『……………』

流石に恩人といえどもこれには言い返しができない。

嗚呼、おやっさん。なんでちゃんと説明をして下さらなかったんだ………

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ﾒﾓﾀﾞﾖｰ
誤字に愛され脱字に恵まれた人間。それがこの私(挨拶)
楼主は妓楼屋の主で、『忘八(ぼうはち)』とも言われることがある。忘八は人の心なくしてる人間って意味だったはず。間違ってたら笑う
飯炊きは名の通り妓楼屋での料理人かな。
名前を提示したのは源氏名っていって此処では遊男の仮の名前として呼ばれているもの。
いっかいの飯炊きには一々付けないものだよ。