【おそ松さん】消せばいいのに

夢 ページ19

家の戸を静かに開け、駆け足で２階へ上がった



パジャマを取り
風呂場へ行く


あー体重い


脱衣所で服を脱ぎ、湯に浸かる



はぁ…
疲れた


仕事ってこんなのかぁ

働きたくない気持ちも分かるわ


に、しても………


『あ、ちぃ』


ザバァッと湯を出て

拭き、着替え２階に上がる


視界が歪んで見えるわ





自分の部屋に着いた途端、倒れ込んだ


襖も開いたまま


あ、やべ
ちょっと無理しすぎた？



もっと強くなんなきゃダメかぁ…






私は意識を手放した

…………………………

夢を見た

６人兄が笑い

親も笑っている

夢を。


『なんで笑っているの？』

赤い兄に聞くが

「わかんない」

青い兄に聞いたら

「どうしてだろうな？」
緑の兄に聞くと

「知らないよ」

紫の兄は

「………」

黄の兄だったら

「楽しいよ？？」

桃の兄も

「なんでだろーね？」




みんな、みんな
笑ってて


自分だけ
笑ってない



仲間外れは

『おれ…？』




その時、パリンと風景が割れ

真っ白になった






目の前には

女の子

前髪の長い
女の子がこちらを見て立っていた



【お兄ちゃん、迷子？】

『んなわけないよ、しかも

俺は女だよ？』

【嘘だ！】

『本当だよ』


【じゃあ、何で男の人の格好してるの？】

『強くなるため、かな』
【虚しくない？】

『え、？』

【悲しくない？】

『そ、んな訳…』

【兄さんが憎いんだったら、嫌いなら



消せばいいのに】



女の子は
いつの間にか成長していて

なんだか
俺によく似ていて


【消せば？ 逃げれば？ 消えれば？ 壊せば？ 奪えば？ 盗めば それとも、 全部？？？】


クスクスと不気味な笑みで語る


自分。


『ぅ、うゎ…………うあぁぁぁあ


やめっ、来んなっ！！

やめろよぉぉぉお！！！！！』






…………
朝か…



ひどい汗

ベッドの上にいた








ベッド？

あれ、俺
昨日倒れたはずじゃ…



頭には、湿ったタオル

ぶ厚い掛け布団がかけてある


母さんかな…


『……にしても、嫌な夢だった』


【消せば？】

『っ…』


鮮明すぎて、怖い









あれが俺の

本心なのか？

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