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「部屋、どこがいい?」
「えっ?」
「君の自室だよ。好きなところ選んでいいよ。私ほとんど使わないから。」
そう言われたので、当たり障りのない部屋を一室選んだ。
お掃除がしたいわ!!埃がすごいじゃない!
どこもかしこも埃を被っていて、とても暮らせるような家ではない。
お掃除の許可をもらったので、早速明日からしようと決意する。
因みに雑渡様はこれから忍務があるからと言って戻られてしまった。
家にあるものは好きに使っていいと言われたので、あるもので適当に夕餉を作り、使われてなさそうだけれども比較的きれいなお布団を選んでさっさと寝ることにした。
お布団に入ってまぶたを閉じると、よほど疲れていたのかあっという間に意識は消えて無くなっていった。
チュンチュン、と雀が鳴く音で目が覚めた。
うーん、と体を伸ばす。
ぐっすりと眠れたのか、体に疲れはなく、軽かった。
顔を井戸水で洗い、着物をささっと着付ける。
今日は淡藤色の生地に大ぶりの百合が染め抜かれたものだ。
どうも私は裾が短いのが得意ではないので、きっちりと足首まで裾を伸ばす。
帯も、皆がしているものよりも動きやすいように、太めのものを使ってぐっと締める。
案外慣れてしまえば楽なもので、ずっとこの形で着物を着てきた。
朝餉も軽く済ませ、さっさと掃除を開始することにした。
とりあえず、屋敷のありとあらゆるふすまを開け放ちましょう。湿気も埃もすごいし、なにより今日は快晴だものね。絶好のお掃除日和だわ。
襖を開け放ち、屋敷全体に風を通す。
するとかなり埃も湿気も逃げていった。
屋敷中の埃を払い、布でごしごしと汚れを拭き取る。
台所、5個ほどあった空き部屋、お風呂、雑渡様のお部屋など屋敷中を掃除し終わると、すでに日は落ちていた。
明日はお布団を干そうと決めて、布団に潜り込んだ。
ふわあ、と大きなあくびをする。
昨日と同じく、よく眠れたのか、疲れは溜まっていない。
朝餉を食べ終えた後、ふと昨日、掃除をし忘れた場所があったのを思い出した。
その場所の掃除も終わらせ、お布団を干すころには正午を回っていた。
ああ、お腹が空いたわ、なにか食べないと。何が残ってたかしら。
そう考えながら布団を干していると、ぽんぽん、と誰かに肩を叩かれた。
Aちゃんが着てる着物は現代の形の着物です。作者の趣味です。許して…
室町時代とか気にしない!!!!!
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ゆき - ハナイツキさん» 今までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!最初の方から何度もコメントを頂いて、本当に励みになりました!感謝の言葉しかございません。さらなるいちゃらぶを目指しますので、続編もよろしくお願いいたします! (2023年5月2日 23時) (レス) id: 11850f2a40 (このIDを非表示/違反報告)
ハナイツキ - 完結お疲れ様です!本ッッッッ当に大好きな小説です!もう雑渡さんにキュンキュンしまくりで、最後の結婚のくだりでは涙ぐみながら読むくらい、、続編も読ませていただきます!雑渡さんとのいちゃラブ生活のご提供、本当にありがとうございました!!! (2023年5月1日 23時) (レス) @page50 id: a0586360be (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - ミリリン(・ω・)さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。続編も書こうと思っておりますので、気長にお待ちいただければと思います。続編もよろしくお願いいたします! (2023年3月28日 23時) (レス) id: 11850f2a40 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - astrumさん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!続編については、書いてみようかなと思っております。続編の方も、よろしくお願いいたします。雑渡さんとのいちゃらぶ生活…頑張ります笑 (2023年3月28日 23時) (レス) id: 11850f2a40 (このIDを非表示/違反報告)
ミリリン(・ω・) - え?好きです。 ヤバイですね むっちゃ面白かったです! 続編出たら絶対読みます。 気長に待っています! お疲れ様でした! 素敵な作品をありがとうございました! (2023年3月28日 21時) (レス) @page50 id: 5a9db1aae6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2022年1月30日 0時