死亡フラグに気をつけろ ページ20
「迦葉さん、あんたはこいつら連れて離れてくだせェ。」
汚してはならないものを汚させない。それが総悟の信条らしい。
だから真相を隠して、人殺しの罪を被ってまで護ろうとする。
やっぱり総悟は綺麗な奴だ。
『そりゃ聞けねェな。誰かさんから頼まれてんだ、お前のことをさァ。手ェ汚すなら付き合ってやるぜ。』
敵に囲まれている。木刀を握りしめた。
『神楽、歩けるな？霧江を頼む。』
「…わかったアル。」
敵の前に2人で並ぶ。
「怪我させちまったら責任取って結婚してやりまさァ、迦葉さん。…俺ァもう、負けるのはごめんなんだ。今度は護り通してみせる。」
『それはしねェ。さて、こっから先は1歩も通さねェし、1人たりとも逃さねェ。』
なめるな、と迫ってくる攘夷浪士どもを一蹴する。
銃声が聞こえ、その場に崩れ落ちる総悟。足を撃たれたらしい。…おれの頬にも少し衝撃があった。
「遠方から狙撃するのよ！撃てェ！」
こちらに銃を向け、引き金を引く。
『そういう武器はもっと離れて扱うもんだぜ。射線が丸わかりだ。』
総悟の前に立ち、弾を全て撃ち落とす。そのまま落ちていた刀を投げつけた。
よろよろと立ち上がり、再び刀を握る総悟。
「怪我させちまった。しょうがねェ、あとでキスしてくだせェ。」
『馬鹿言ってんじゃねェ…くるぞ、構えろ。』
所詮雑魚だが、なんせ数が多い。
総悟の息が上がってきた。少し下げさせるか、と前に立つ。
「はは、迦葉さん…こいつら、斬っても斬っても数が減らねェどころかむしろ増えたようにすら見えてきやがった…」
『…あー、おれ、なんか帰りたくなってきたな…』
「急に何言って…」
2人で戦闘態勢を解く。
「ついに諦めたようね。総員斬りかかりなさい！」
「すいません、面倒臭いから嫌です。そんなことより迦葉くんとお話しないとなんで。」
「隊長！迦葉さん！無事ですかァ！」
攘夷浪士に扮した銀と新八と新撰組。
なんでこんなことに、と逃げるようにこちらへ走ってくる最後の敵。
総悟が刀を構えた。
「ほんと、なんでこんなことになったんだ。…チクったのは誰だァ！」
そのまま斬り飛ばした。
隠蔽工作をした2人は大量の書類に追われているらしい。
おれは銀の前で正座をさせられていた。
「とりあえず言い訳を聞いてやる。」
『…神楽が捕まったって聞いたから…ついでに総悟の手伝い…』
「はァ…迦葉、しばらく俺から離れんの禁止。すぐ喧嘩すんだから…」
『ええ…』
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作者名：逆叉 | 作成日時：2024年3月28日 22時
