親子ってのは嫌なとこばかり似るもんだ ページ47
逃げ惑う一般客をかけ分け、騒ぎの中心へ走る。新撰組が平賀の絡繰りたちと戦っているのが見えた。
『何がどうなって…あ?』
なぜか発光し大暴れする神楽と総悟。まじでどうなってんだ。
広場の壇上で、平賀と向き合う銀、新八がいた。仇討ちなんざ流行らねェ、という言葉が聞こえる。
『…あんたの息子だったのかよ。鬼兵隊の平賀三郎、だよなァ。』
「迦葉!無事だったか。」
銀たちに怪我は無い。じっと平賀を見つめる。
「てめぇの筋通して死にてェだけさ。だから退け。」
「退かねェ。俺にも通さなきゃならねェ筋ってもんがある。」
平賀がしばらくおれたちを見つめた後、撃て、と三郎に命令するのと同時に木刀を握って走り出す。
『させるかよ…あ!?』
こちらに銃口を向けたはずの三郎が不意に腕をおろす。振り下ろした腕は止まらない。
『くっそがァ!』
木刀が三郎を破壊した。
「馬鹿野郎!なんでおめェ撃たなかったんだ!」
倒れ込んだ三郎が、途切れ途切れに語りだす。それはいつか聞いた、平賀三郎本人の…
「なんだってんだよォ…どいつもこいつも…どうしろってんだよォ!」
震える声。
「…さァな。長生きすりゃァいいんじゃねェかな。」
親子、というものを見た気がして、何も言えなかった。
なんだか不思議な気持ちになって、そっと銀の袖を握った。
銀がそんなおれを見て微笑む。…と思ったら、変な顔をした。なんだか少し怒っているような気がする。
『…?』
…裾の方がよかっただろうか。
銀時side
源外のじいさんを止められた。ひとまず安心か、と思っていると、袖を引っ張られる。迦葉が複雑そうな表情であの親子を見つめていた。
思わず銀さんの袖を握るなんて可愛いヤツめ…と表情筋が緩む。そして気付いた。身長差のせいで見えてしまった。首巻に隠れた迦葉の白い首で、小さいくせにうざったいほど主張してくる赤色。これ…は…
先程のむかつく高杉との会話を思い出す。
(「あァ、さっき迦葉に会ったぜ。俺がいま何をしているか、知らねェとはいえ無防備だよなァ。喰っちまうところだった。」)
(「…!てめェ!迦葉に近付くんじゃねェ!」)
(「しょうがねェだろ。勘違いするなよ銀時ィ。あいつはてめェのもんじゃねェ。」)
あの野郎まさか…!
…帰ったら迦葉を問いただすか。
58人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時