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閑話。 新八side ページ40

ある晴れた昼下がり。銀さんは爆睡していて、神楽ちゃんは遊びに出掛けている。いまこの部屋には、僕、新八とテレビを眺めている迦葉さんの2人。

迦葉さん。あの日姉上を天人から救ってくれた恩人の1人で、万事屋の従業員。チビだなんだとからかわれているのをよく見かけるが、実際のところ僕とそんなに目線は変わらない。なんなら少し上。

僕はあまりこの人を知らない。思い返せば常に銀さんがそばにいて、2人で話す機会はなかったような気がする。

どこか距離を感じて少し悩んだりもしていたが、先日の1件で迦葉さんが僕たちを思っていた以上に可愛がってくれていたことに気付いた。僕たちの姿を見て、安心したように笑う人。

…勇気をだして話しかけてみることに『なァ新八、今日スーパーで特売セールやってるって言ってなかったっけ。』

「は、ハイ!?」

びっくりした。まさか迦葉さんから話しかけてくるなんて。
なにその声、と僕を見て笑う。…恥ずかしい。

「そうですね、16時から…ってもうこんな時間!?」

気付かなかった。ドタドタと部屋中走り回りながら、外へ向かう。

『ついてくよ。スクーターのが速いだろ。』

なんて言って僕にヘルメットを被せる。

「え、い、いいんですか!?でも銀さんが…」
『おれも暇だし。なんでそこで銀がでてくるんだよ。』

そうだ、この人鈍いんだった。あまり他の人と2人きりにさせないように引っ付いている銀さんに気付きもしない。…これは、チャンスでは。

お願いします、と迦葉さんの後ろに乗り込む。

「…というかコレ、銀さんのですよね?」
『いいんだよ。じゃ、行くかァ。』



無事に買い物を終え、帰路につく。

『…なァ新八、甘いもん好き?』
「えっ?嫌いじゃないですけど…」
『そ。団子でも食って帰ろうぜ。』

なんて言って進路を団子屋に変更する。

「夕飯ですよ!」
『なんだよ。たまにはおれと悪いことしようぜ。』
「悪いことって…」

『…おれ、あんま餓鬼の扱いとかわかんねェから。』

どこか真剣な声が聞こえる。

『銀に任せとけばいいかァ、なんて思ってたけど、どんどん仲良くなるお前ら見てたら、なんかおれも混ざりたくなって。お前のこと、もっと教えてよ。』

表情は見えないが、優しい声色。…たまには僕も、この人に甘えてみてもいいのかな。

嬉しくてにやつく顔を隠すように、迦葉さんの背中に抱き着いた。

男にはカエルに触れて一人前みたいな訳のわからないルールがある→←閑話。 銀時side



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sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時

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