コスプレするなら心まで飾れ ページ35
群がる天人を斬り捨て進む。依頼の女を抱えた銀が天人どもに襲われていた。最近聞いた声で銀に剣を突き出す天人。あれでは銀も避けきれない。咄嗟に腕をのばし、剣の軌道をズラした。
「迦葉!?なにやって…!」
天人の剣はおれの腕を少し抉る。剣が窓に刺さった衝撃で、割れた硝子諸共3人仲良く下へ落ちた。
『(間に合え…ッ!)』
銀と女に手を伸ばし、頭を抱きしめる。そのまま2人を上側へ。衝撃を感じて、意識が飛んだ。
夢を見た。
数多の死体でできた道を1人歩く。それが敵だったものか、味方だったものか、もうわからない。区別がつかない。人を斬ることに、いつまでも抵抗はなかった。しかし始めは仲間の死に耐えられなかったのに…ああ、松陽にまた怒られてしまうな、と呑気に考える。ふと目の前に、見慣れた後ろ姿が見えた。
『(…銀!)』
声がでない。足も動かない。死体どもがおれの足を掴んでいた。手を伸ばす。振り向いた銀の首が、いつの間にか足元に転がってきていた。
『はッ……はァ…はァ……ゆめ…?』
飛び起きる。知らない部屋。腕には丁寧に包帯が巻かれていた。
「…起きたか。よかった。今度からはあんな無茶、するなよ。」
銀の声。おれのことを見守ってくれていたようだ。首は繋がっている。しかしどうしても先程の夢を思い出してしまって、銀の顔に触れてみた。
「…どうした?怖い夢でも見たか。」
優しい声で話しかけてくる。
『ぁ…』
上手く言葉がでないおれを、銀はしばらく抱きしめて頭を撫でてくれた。
『(酷く安心する。銀の鼓動を感じる。生きている。生きている…)』
恐る恐る腕を背中にまわし、少し力を入れて抱きしめ返した。
「(震えてんな…誰かが死ぬ夢でも見たか。それとも…俺か。)」
「目が覚めたか。」
少しして、小太郎が部屋に入ってきた。
「…!そうだ、ッ…」
立ち上がろうとした銀が布団に倒れ込む。
「無理はせぬがいい。肋骨が何本かいっているそうだ。迦葉、お前に関しては右腕はしばらく動かんと思ったほうがいい。どうせ痛みは無いだろうがその腕はいま折れている。」
衝撃を抑えきれなかったようだ。依頼の女は外傷よりもクスリで体がやられているらしい。
『…というか、なんで小太郎がここにいるんだ。』
「というか、この前のこと謝れこの野郎。」
「というか、お前たちはこれを知っているか。」
おれたちの言葉を全て無視して懐から白い粉を差し出してきた。話を聞けこの野郎。
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sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時