閑話。 お登勢side ページ32
珍しく迦葉が1人で店に来た。いつもならあの馬鹿がそばにいるのに。
「あの馬鹿はどうしたんだい。」
『どっか飲みに行った。なんでか酒には連れてかねェからさァ。おれもたまには飲みたくなって。』
そういえばこいつが酒を飲むところを見た覚えがない。
「そうかい。好きにしな。金は払ってもらうけどね。」
『へへ、やったァ。』
「ちょっと、迦葉。」
『へへェ、なにィ？』
銀時が迦葉を酒に連れていかない理由を理解した気がする。弱い、というわけではないが、どうやら酒で随分ご陽気になるようだ。無防備にも程がある。と、緩んで火照った表情の迦葉を見て思う。
「その辺にしときな。今日は介抱してくれるような新八もいないんだろう。」
『大丈夫だってェ。おれ、別に酔ってないしィ。』
嘘である。心做しか呂律も回っていないように思う。
普段銀時がそばにいるので聞かないが、今なら、と少し気になっていたことを聞いてみる。
「あんた、銀時のことどう思ってんだい。」
『？銀？なんだろ、おれのだいじな…家族、かなァ。おれ、おやとかいねェから、家族がどんなんかしらねェけど。銀がそばにいるとあんしんする。だいじだよ。すげェだいじ。お登勢、銀のこと助けてくれて、ありがとなァ。』
緩みきった顔で笑う。なるほど、これはライバルが増えるわけだ。あいつも大変だねェ。
「なるほどねェ。…ところであんた、好きな奴とかいないのかい。」
銀時の想いは伝わっているのか。聞く予定などなかったが、今の迦葉ならなんでも答えるような気がして、つい。
『すきなやつゥ…？うーん…おれ、すきってのがよくわからん…』
「そうさねェ…一緒にいて楽しいとか、何かあったら1番に伝えたいとか、そういうことさね。」
『へェ…じゃあ銀…？や、小太郎にも晋助にも松陽にも…』
おや、と思ったがどんどん名前が出てくるので、いま思い浮かべているそれは友愛や家族愛のほうだと気付いた。こりゃ先は長そうだねェ…
うーん、と唸る迦葉がどこか寂しそうに、しかし嬉しそうにするのを見て、思わず笑みがこぼれる。
はやく幸せにしてやりな、といつの間にか戸の向こうにいた人物に目を向けた。どこから聞いていたんだか…なかなか入ってこないところを見るに、これはだいぶ最初のほうから…少し悪いことをしたなと思った。
いつの間にか眠りについた迦葉を、そいつに渡して煙草に火をつけた。
閑話。 続 銀時side→←第一印象がいい奴にロクな奴はいない
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sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってﾒｿﾒｿ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます！！ (4月10日 8時) (
レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます！！！！！ (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：逆叉 | 作成日時：2024年3月6日 20時
