第一印象がいい奴にロクな奴はいない ページ30
「あぁん!?アンタの口は、家賃を待ってくれとしか喋れないのかい!」
スナックお登勢。銀がお登勢に詰められている。巻き込まれないように、と離れたカウンターに座っているので、内容はいまいち聞き取れない。ああいう時のお登勢には近寄らないのがいちばんだ、と学んでいる。
「うるせェ。俺の口はな、いちご牛乳とチョコレートパフェと、迦葉の為にあるんだよォ!」
「なんだい!大したアピールもできない餓鬼の癖に!そんなんじゃ誰かに取られちまうよ!」
「はァ!?銀さんは慎重なだけですゥ!つーかババァ、声がデケェよ!聞こえるだろうが!」
…なんて会話がされていたとも知らず、勢いよく飯を食う神楽を眺めていた。
『神楽、お前小せェのによく食うよな。』
「こんなの朝飯前アル。それに小さいのは迦葉も同じヨ。」
『やっぱおれらの教育が悪かったかなァ…』
どんどん食い物を胃に入れる神楽に原因不明の懐かしさを感じた。
言い争っている銀とお登勢におかわりヨロシ?と話しかける神楽。邪魔をするなと2人から怒られている。
『餓鬼相手になにやってんだよ。新八、お前も止めろよ…気付きたくねェだろうけどそいつ、お前の上司だよ。』
「僕には無理です迦葉さん…」
気付けば店のつまみを胃に流し込む神楽がいた。
「…家賃とは別に付けとくからね。迦葉、あんたもこれは甘やかすんじゃないよ。」
『…はァ…』
助けられん。悪ィ…
…ところで。
「見ねェ顔だな。新入りか。」
「ハイ。コナイダカラハタラカセテイタダイテマスキャサリンイイマス。」
猫耳の女。実家に仕送りをする為に出稼ぎでここへ来たらしい。
…嬉しそうなお登勢には悪いが、コイツ、なんだか嫌な予感がする。
会話の輪から離れて眺めていると、戸が開いた。
「こういうもんなんだけど…ちょっといい?」
警察のようだ。
キャサリンの顔が少し曇ったのを見て、やっぱりか、とため息をついた。
『持ち逃げ?』
「そう。この辺で多発してるんだよね。犯人は天人らしいんだけど、なんか気になる噂とかない?」
「それなら知ってますよ。犯人はコイツです!」
銀に指をさされた神楽がそれを折った。お前が悪いよ。
悲鳴が聞こえる。
「俺がせっかくタダで故郷に帰る方法を教えてやろうと思ったのに…」
「いや…強制送還はタダではないよ…」
「全くアル!そんな不名誉な帰国御免こうむるアル!」
「…少なくともうちにはいないからねェ。ま、なんかあったら報せるよ。」
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sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時