閑話。 ページ25
昼。
甘いもんが食べたくなって目が覚める。室内からは誰の気配もしない。どうやら全員外出しているようだ。
とりあえず団子屋でも行くかな。
ベンチに見覚えのある服装の男がアイマスクをして寝そべっていた。コイツ警察だよな。職務放棄かよ。関わらねェのがいちばんか、とスルーして団子を頼む。
「酷ェでさァ。知り合いに会ったらまずは挨拶するもんじゃねェんですかィ。」
あちらはスルーしてくれなかったようだ。
『…起きてたのかよ。仕事は?』
「いまは見回りの最中でさァ。」
『はっ、怪しい奴が団子買わねェか監視してんのかよ。そりゃ大変そうな仕事だなァ。ま、頑張れや。』
団子を手にその場を去ろうとする。と、袖を掴まれた。
振り返ると沖田がこちらを見つめていた。
「今日は旦那と一緒じゃないんですかィ。」
『アイツら揃ってどっか行ってんの。なんか依頼入ったんだろ。』
「へェ…つまり今日はゆっくりできるってことですねィ。」
『ん…?まァ…いやいつもゆっくりしてっけど…』
そう答えるとどこか嬉しそうな沖田の顔が目に入る。
『なんだその顔は。団子はやらねェぞ!』
「変な顔した覚えはねェでさァ。団子も要らねェ。それより迦葉さん、暇ならちょっと相手してくだせェ。」
『あ?仕事しろよ仕事。警察なんだろ。』
「市民の話し相手になるのも警察の仕事でさァ。」
『おれが警察の話し相手させられようとしてんだよ!…ちょっとだけだぞ。』
どうせおれも暇だしいいか、と沖田の隣に腰掛ける。
それから少しの間、他愛もない話をした。変な出会い方をしたが話してみると意外と普通の餓鬼な気がする。味方にバズーカ撃ち込むようなのが普通なわけねェか。
「そういや迦葉さん。旦那とはどういう関係で?」
『幼馴染みたいなもんだよ。』
「なんでィ。兄弟なんかと…」
こいつもか。あんなデケェ兄貴いたら骨削ってでも縮ませてやるところだった。
打ち解けてきたところで、ふと思っていたことが口にでる。
『…沖田はなんだかおれと似ている気がする。でもお前の目はおれなんかよりずっと綺麗だ。』
人殺しの目。人を殺せる目。でもおれと違って沖田には信念があるようだ。
「…迦葉さん?」
沖田の声にハッとする。まだ寝ぼけてんのかな。
『なんでもねェ。そろそろ帰る。』
立ち上がると声が聞こえた。
「…総悟でいいでさァ。」
『…総悟くん、な。』
なんとなく頭を撫で、別れを告げて1人帰路に着いた。
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sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時