ジャンプは時々土曜に出るから気をつけろ ページ13
新八がきてから半月ほど経過した。万事屋にも慣れ、気付けば家事をしている新八はどこか家政夫のようだ。
今日は銀も新八も買い物に出かけているらしい。外に出る気分じゃなかったおれは家に残ってテレビを眺めていた。うとうとしていると、引き戸が開く音がする。
「ちょっと銀時ィ!今日こそ家賃を払ってもらうよ!」
玄関のほうから聞こえるお登勢の声。家賃、なんて最後に払ったのいつだっけ…
めんどくせェな、と頭をかきながら玄関へ向かう。
『銀ならでかけてったぞ。昼間っからでけェ声出すなよ…』
「なんだい、今日はあんただけかい。家賃さえ払ってくれたら銀時じゃなくてもいいんだ。」
『ウゲェ…』
傭兵時代の貯金。稼いだはいいものの、甘いもの以外に買うものもなく、あの頃は何か没頭できるものが欲しくて、という気持ちだったから、気付けばそれなりの額になっていた。
『ほら、これでいいだろ。』
お登勢にお金を渡す。
「まいど。…あんたもあいつを甘やかすんじゃないよ。元々ここを間借りしてんのは銀時なんだから。」
『居候してんだからおれが払うのも大差ないでしょ。…だめだ、ちょっと寝てくる…』
お登勢が顔を顰めている。いいだろ、眠いもんは眠いんだから。
寝過ぎるんじゃないよ、というお登勢の声を背にソファに寝転がる。そのまま意識は暗転した。
「…!……!」
…?知らねェ声が聞こえる。誰かきてんのか。今何時だ…
ゆっくり目を開けると、見たことねェ餓鬼の顔面が視界を占領していた。…餓鬼!?
飛び起きる。銀も新八も反対側のソファに座ってこちらを見ていた。
『は、え、なんだこの餓鬼…銀お前まさか…』
「違うからね!勝手に着いてきたんだよ!」
「すみません迦葉さん、実は…」
新八から話を聞いてため息をつく。どうやらこの餓鬼は神楽というらしい。実家に帰るための資金をここ、万事屋で稼ぐために働くことになったというのだ。
「ま、そういうこった。不本意だがな。」
『来ちまったもんはしょうがねェか。よろしくな、神楽。』
「よろしくアル!寝ててわからなかったけど、お前綺麗な目アルな!もっと見たいネ!」
『え、えっ……と…』
綺麗な目、なんて言われるのは銀に出会った時や松下村塾以来だった。少し反応に困る。褒められているのは伝わって照れくさい。
「…ちょっとちょっと!迦葉が困ってるでしょうが!見物料取るよ!あんまり近付かないでくれる!?」
「なにヨ!」
……助かった。
60人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時