閑話。 ページ12
「そろそろ帰るか。」
海水で濡れた服が肌にまとわりつく。はやく風呂に入りたい。
自分はどうすればと戸惑っている新八の手を引いて、家兼仕事場である万事屋銀ちゃんへの帰路に着く。
何故か新八の手をじっと見つめて黙り込む銀を横目に、改めて自己紹介をしあう。
「銀さんと迦葉さんって苗字が違うんですね。兄弟かと思ってました。」
『そんな似てんのかな…育ちは兄弟みたいなもんだけど、血は繋がってねェからな。おれ全然天パじゃないし。ちょっとはねてるだけだし。』
「ちょっと迦葉くん??」
なんだよ。天パとくせっ毛は違うだろうが。
なんて会話をして、見慣れた看板の前で止まる。
『ここの2階が万事屋な。とりあえず風呂入ろうぜ。』
お邪魔します、なんて言う新八を見て思わず笑う。
『なんだよ、今日からお前の職場だぞ。』
「俺と迦葉の部屋にはあんま入ってくんじゃねーぞ。じゃ、迦葉、銀さんと一緒に風呂入るか。」
『狭いんだから男2人も入れねェって。』
「(な、なにそれ、狭くなかったら銀さんと2人で風呂入ってくれるってこと!?お登勢に風呂でかくしてくれるよう頼んでみるか?)」
交代で風呂に入る。どうやら新八は家事が得意らしい。なんか活かせる仕事あったんじゃ、と思いつつ、炒飯を作らせる。食いたかったんだよ。
『家に帰るだろうけど、晩飯くらい食ってけよ。どうせお前が作ったんだし。』
「ありがとうございます!」
「食ったらさっさと帰れよ。洗いもんしてからな。」
「アンタ人のこと雑用係と思ってんだろ!」
最近は基本銀と2人だったから、少し賑やかな食卓が新鮮に感じる。こういうのも悪くないな。
新八が帰ったあと、ソファに寝転がる銀に声をかける。
『働きたい、なんて言うから受け入れちまったけどここ基本金もねェから稼げないって言っとけばよかったかな。金が必要なんだろ。』
「いいだろ別に。というか俺は迦葉と2人でよかったのによォ…」
『…賑やかなのも、好きだろ、銀。いつか護るべきもんで溢れちまうかもな、ここ。』
「どうかねェ。ま、安心しろ、今後がどうであれお前だけは絶対に護ってやるさ。」
真剣な表情の銀と目が合う。護ってやる、なんてこっちのセリフだ。もう二度と、銀にあんな思いはさせない。
『じゃ、銀を護るのはおれの役目だな!』
…あの亡霊を斬るのも、おれの役目だ。
ジャンプは時々土曜に出るから気をつけろ→←天然パーマに悪い奴はいない
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sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時