121 ページ21
「
とっさに念を発動したヒソカは、床を滑りつつ球を止めてみせた。ボールはなんとか落とさなかったものの、指がやられ鼻血まで出ている。
「ビスケ選手、アウト！！外野へ移動してください」
「…衣服も体の一部ってわけね。不覚だわ」
ビスケが外野へ。内野がキルアとヒソカの二人になったので、ゴンが『バック』を宣言した。
レイザーチームの内野は彼と2番と13番、レイザーも『バック』の権利を有したまま健在だ。
「一つ、分かったことがある♧一度でも外野を経由した球の威力は激減するよ♢
コキコキと右手の小指と薬指を鳴らしたヒソカだが、あれは確実に骨が砕けているはずだ。投げるどころか、球を持つことすら危ういだろう。
悔しい、悔しい！！どうして私はあそこにいられない！？
わかっている。この気持ちは傲慢だ。そもそも私は、8人チームにカウントできないのだから！！
何かできることは？今の私にできることは……。
無い。ひとつも、だ。せめて見守ることしかできない。大きく息を吐き出して、心を落ち着けようとする。
べつに、まだ負けた訳じゃないんだ。目を一度閉じて、ゆっくり瞼を開けるとヒソカと目が合った。何のつもりか、彼は唇だけ動かしてこう言った。
「ダイジョウブ♧」
それだけ言って、私にだけわかるように片方の口角を上げると前を向いてしまった。
本当に、一体全体何のつもりか知らないけれど、感情を上書きされたことは確かだ。動揺の代わりに、静かな鬱憤がヒソカに向いた。
試合のあとで、一発殴ってやろうと決めて私は座り直した。
何か策のあるらしいゴンが、ヒソカからボールを受け取った。それをキルアに持たせ、コートの最前線に立ってもらった。
グッと拳にオーラを集中させたゴンは、キルアの持った球を思い切りパンチして発射した。
「じゃんけん、グーッッ！！！」
13番が吹き飛ばされ、アウトになった。外野に転がったボールをビスケが拾って内野へ投げ返した。ここに来て、レイザーの笑みが消えた。
次に2番を狙う、と思いきやゴンがキルアに真っ向から反対した。
「悔しくないの？」
「は？お前何言ってんだ、頭冷やせ！！」
「そうじゃない。ムカついてないの？もし左に避けてたらって、考えなかったの？」
ゴンは、ビスケとヒソカを狙った直角シュートのことを言っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 365人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ash(プロフ) - かなめさん» かなめさん、こんにちは。更新遅くなってすみません。ヒソカ推しの同志がいてくれて嬉しいです。 (2020年3月19日 11時) (
レス) id: 15c859a546 (このIDを非表示/違反報告)
かなめ(プロフ) - 更新お疲れ様です！ヒソカ推しなのでかっこいい姿が沢山あって嬉しいです (2020年3月16日 12時) (レス) id: 70bd3babc7 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - スーパーヒソカタイムめっちゃ笑いました！！更新がんばって下さい！ (2018年3月10日 21時) (レス) id: 2984f0eef0 (このIDを非表示/違反報告)
鉄子(プロフ) - キングダムっぽい技ですねwトーンタンタンは技の掛け声として最高です！w楽しく読まさせていただいています！がんばってください！ (2017年11月24日 22時) (レス) id: a0856aab8c (このIDを非表示/違反報告)
ムルムル(プロフ) - 待ってますね！頑張ってください！ (2017年11月22日 18時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
