73.ゲロインは避けたい ページ33
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・・・なんて、さっきまでシリアスを纏ってたの遥か昔に感じるよ。そんな時期もあったね。
え?何故遥か昔に感じるかって?
「いぎゃああああ!!降ろしてええ!!なん、ちょ、浮遊感!!え、もうなにいきなり、おろ、しいいい!!」
「・・・」
状況が状況だからだ。
ちょっと誰か説明させて欲しい。説明するもなにも私と累しかいないから誰とか無いんだけどさ!
数刻前、たわいない会話をしていたら「また鬼狩りがこの森に入ってきた…」と呟いた累。刹那、何故か私の体を軽々と持ち上げ、私を肩へ担ぐようにして乗せる累。そして、私が何か発言する前に空中へ飛び、空に張ってある糸と糸とをつたって飛ぶ累。
そして、現状を理解して叫ぶ私。…以上、状況説明である。
「るいいぃ!!なん、でいきなり!?」
「別に、どんな鬼狩りが来たのか見に行こうと思って。ただの暇つぶし」
「じゃ、じゃあ私連れてく意味ないよね!?ねっ!ぎゃあああぁ!!無理いい!!」
「ちょっと黙りなよ。叫び声が気持ち悪い」
「鬼か!!」
「鬼だよ」
そうだった。毒舌で天使な顔した悪魔、それが累だった。
下を見れば、遠い地面と浮いている感覚に背筋がブルリと震えたのが分かる。叫んだりリアクションが大袈裟かもしれないが、本当にやばいのだ。特に高いところが特別苦手というわけではない。寧ろ問題は高さじゃなく、糸と体勢だ。
累が張ったであろう糸は透明で目を凝らさないと見えないから浮いてるみたいでめっちゃ怖い!んだよ!プラス手と足がぶらんぶらん状態で浮遊感が凄すぎるんや。うん。
「・・・慣れたの?」
「慣れたというかなんかもう境地に入ったというか」
「そう」
つまらないと言いたげに横目で見てくる累。
なんだなんだ、その目は。私のこのぐったりして今にも吐きそうなヒロインにあるまじき姿が見えないのか。
否、ゲロインだけは避けたい。
もうーーーそういうところ気が使えないんだからーーー可愛いやつめ!とか思ってたら殺されそうになった。口に出してないはずなのに。悲しきかな。
「伊之助!!もし君が鬼の位置を正確に探る何らかの力を持っているなら協力してくれ!!」
「…この声っ!」
近くから聞こえる力強く懐かしい声。下に向けていた顔をグッと上にあげれば、声の主は竈門炭治郎だった。
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うえ - んぎゃ..鬼にまで好かれるとか最高すぎんか..待ってます!! (1月5日 9時) (レス) @page36 id: 9aa429e4c8 (このIDを非表示/違反報告)
さめしゃち?(プロフ) - あっ好きです(急)結婚しましょu(((((( すみません取り乱してしまいました^ ^めっちゃにやにやしちゃいましたww更新待ってます!!!! (5月7日 21時) (レス) @page36 id: 94eab444ed (このIDを非表示/違反報告)
Komachi(プロフ) - ふづきさん» あ、へ?え!?なんか褒められました!?あざさです!(?)めっちゃ嬉しいです!(なんのことかよくわかっていない件について) (2022年3月6日 1時) (レス) id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
ふづき - Koma?♂さん» がちでおもしろすぎるww文書く才能ありすぎです (2022年3月6日 0時) (レス) @page36 id: 3d9c5132e5 (このIDを非表示/違反報告)
Koma?♂(プロフ) - ぁぁダァダダァぁ!好きです!もうこういうのをまとめてました!更新頑張ってください!応援してますぅ (2021年11月3日 22時) (レス) @page36 id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにゃねこ44 | 作成日時:2019年8月13日 2時